68AM023|第68回 臨床検査技師国家試験 過去問
64 歳の男性。家族に「最近ぼーっとしていることが多い」と指摘され受診した。 脳波を別に示す。 所見はどれか。

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正解: 1
正答
1(棘波)
この問題のポイント
多誘導脳波で背景から瞬間的に鋭く突出する波を見つけ、周期性や複合波の形と区別する問題です。
解説
画像はFp1-A1からT6-A2までの左右多誘導と最下段の心電図を約8秒間記録し、右下に50 μV・1秒の校正があります。記録中には、複数誘導で背景活動から急峻に立ち上がり、尖った頂点をもって短時間で戻る一過性波形が散発しています。ほぼ一定間隔で同じ複合波が繰り返される像ではなく、14 Hz前後の波が短い群として連続する像でもありません。この背景から明瞭に区別される短い尖鋭な一過性波形が棘波です。棘波は一般に持続20〜70 msの波と定義され、てんかん性放電の重要な所見ですが、臨床症状や長時間記録を合わせて判断し、棘波が一つあるだけで発作型や原因疾患まで断定はしません。本例の「ぼーっとする」症状と合わせ、発作性意識障害を考える手掛かりになります。
選択肢の確認
1.正しい。画像には背景から短く急峻に突出する尖った一過性波形が散発しており、棘波の形態に合います。
2.誤り。三相波は三つの位相をもつ比較的幅広い複合波が全般性・前頭部優位に反復する所見で、肝性脳症などの代謝性脳症でみられます。
3.誤り。多棘徐波複合は2個以上の棘波が連続し、その後に徐波を伴う複合波です。画像の所見は連続する多棘波を主体としません。
4.誤り。14 Hz陽性棘波は主に思春期から若年者の傾眠・睡眠時に後側頭部優位で14 Hz程度の短い群発を示す正常亜型で、本画像とは形と出現様式が異なります。
5.誤り。周期性同期性放電は広範な誘導に同期する類似波形がほぼ一定周期で反復する所見で、Creutzfeldt-Jakob病などで問題になります。本画像は規則的周期性を示しません。
覚えるポイント
- 棘波は持続20〜70 msの短く尖った一過性波形です。
- 多棘徐波複合は複数の棘波に徐波が続きます。
- 周期性同期性放電は類似波形がほぼ一定間隔で反復します。
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