69AM025|第69回 臨床検査技師国家試験 過去問
78 歳の男性。心不全患者の左室流入血流速波形と計測値を別に示す。 この波形はどれか。

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正解: 4
正答
4.拘束パターン
この問題のポイント
僧帽弁流入波形のE/A比とE波減速時間から、左房圧上昇を伴う重度拡張障害を判定する問題です。
解説
69AM24と同じ別冊No.5の波形には、E波高150 cm/s、A波高34 cm/s、E波減速時間128 msと明記されています。E波は左室拡張早期に左房から左室へ流入する血流、A波は心房収縮による拡張後期流入です。E/A比は150÷34≒4.4で、E波がA波より著しく高くなっています。またE波は高い頂点から急峻に低下し、減速時間は128 msと短縮しています。この「E/A比2以上、短い減速時間」という組合せは拘束パターンに一致します。重度の左室拡張障害では左室コンプライアンスが低下し、上昇した左房圧によって僧帽弁開放直後に血液が急速に流入します。しかし左室圧もすぐ上昇するため左房-左室圧較差が早く消え、E波減速時間が短くなります。弛緩障害の初期は弛緩が遅いためE波が低下してA波優位になります。病態が進み左房圧が上がるとE/Aが一見正常へ戻る偽正常化を経て、さらに重症化すると拘束型になります。本画像にはE・A波高と減速時間が明記されており判定可能です。ただし実臨床では年齢、組織ドプラe′、E/e′、左房容積、三尖弁逆流速度なども組み合わせて総合評価します。
選択肢の確認
1.正常パターン:誤り。78歳でE/A比約4.4、減速時間128 msという著明なE波優位は正常範囲では説明できません。
2.弛緩障害パターン:誤り。弛緩障害では拡張早期流入が減り、通常E<A、E/A比低下、減速時間延長を示します。
3.偽正常化パターン:誤り。左房圧上昇でE/A比が見かけ上正常域へ戻る段階で、本像ほど著しいE波優位ではありません。
4.拘束パターン:正しい。E/A比約4.4と著明に高く、E波減速時間128 msと短い所見が一致します。
5.判定不可能:誤り。E波・A波が分離し、波高と減速時間が明示されているためパターンを判定できます。
覚えるポイント
- 弛緩障害はE/A低下と減速時間延長を示す。
- 偽正常化は左房圧上昇によりE/Aが見かけ上正常化する。
- 拘束型はE/A著増とE波減速時間短縮を示す。
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