114B076|第114回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科補綴学

30歳の男性。左側臼歯部欠損による咀嚼困難を主訴として来院した。診察の結果、下顎左側第一小臼歯・第二大臼歯を支台歯とする固定性ブリッジを装着することとした。2通りの設計(別冊No. 27A、B)を患者に提案し、プロビジョナルレストレーションを装着後、最終補綴装置の設計を決定した。完成したブリッジ試適時の口腔内写真(別冊No. 27C)を別に示す。 患者がこのポンティックを選択した理由として考えられるのはどれか。1つ選べ。

114B076の問題画像
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正解: b

正答

b

この問題のポイント

ポンティック形態は清掃性だけでなく、舌触りや異物感を含む装着感にも影響します。本例ではプロビジョナルレストレーションで2形態を試し、患者が装着感のよい形態を選択しました。

解説

下顎臼歯部ポンティックの粘膜面形態では、清掃空隙を大きくすると衛生管理には有利ですが、舌が空隙へ入り込む、食物が通過する、異物感が強いなどの訴えが生じることがあります。顎堤との関係を滑らかにして舌側の輪郭を連続させると、舌触りが自然になり装着感を改善できます。

プロビジョナルレストレーションは、形態の違いを患者が実際の咀嚼・会話・清掃時に評価する手段となります。最終形態では装着感を尊重しつつ、粘膜を圧迫せず、清掃用具が到達できる滑沢で凸面状の粘膜面を確保します。

画像の確認

実画像では、AとBでポンティックの顎堤側・舌側輪郭が異なり、顎堤との空隙量と舌が触れる面の連続性に差があります。最終ブリッジCは舌側からみてポンティック下部が滑らかに連続する形態で、試用後に患者が選んだ理由として装着感が最も合います。

選択肢の確認

a.審美性の良さ
誤り。下顎臼歯部であり、2形態の主な違いは外観より顎堤側・舌側形態です。

b.装着感の良さ
正しい。舌触りや空隙への違和感をプロビジョナルで比較し、快適な形態を選べます。

c.清掃のしやすさ
誤り。清掃性を最優先するなら顎堤から十分に離した形態が有利ですが、完成形態を選んだ主理由ではありません。

d.咀嚼のしやすさ
誤り。両設計で咬合面形態を付与でき、顎堤側形態の差を直接説明しません。

e.発音のしやすさ
誤り。下顎臼歯部ポンティックの形態差で最も考える理由ではありません。

覚えるポイント

  • ポンティックは生物学的要件、清掃性、装着感を両立させます。
  • プロビジョナルで舌触りや清掃性を患者自身に評価してもらえます。
  • 粘膜面は圧迫を避け、滑沢で清掃可能な形態にします。

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