115A051第115回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科補綴学

咬合挙上が必要な症例の歯列模型を咬合器に装着し、挙上量を検討することとし た。 2種類の咬合器の写真 (別冊No. 17A、B を別に示す。 咬合器上で咬合挙上した場合、咬合器間で差が生じるのはどれか。 1つ選べ。

115A051の問題画像
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正解: c

正答

c

この問題のポイント

アルコン型咬合器と非アルコン型咬合器では、開閉時に顆路指導部と咬合平面の位置関係が異なります。咬合挙上によって差が現れる代表は矢状顆路傾斜角です。

解説

アルコン型咬合器では、人体と同じように顆頭球が下弓に、顆路指導部が上弓に配置されます。非アルコン型咬合器では、顆頭球が上弓に、顆路指導部が下弓に配置されます。

咬合器上で切歯指導釘を上げて咬合高径を増加させると、上下弓の開閉関係が変化します。アルコン型では顆路指導部が上弓と一体であるため、上顎模型の咬合平面に対する矢状顆路傾斜角が比較的保たれます。非アルコン型では顆路指導部が下弓側にあるため、開閉によって上顎咬合平面との相対角度が変化します。

そのため、咬合挙上を行ったとき、2種類の咬合器間で差が生じるのは矢状顆路傾斜角です。

画像の確認

実画像では、二種類の咬合器で顆頭球と顆路指導部の配置が逆になっており、側方からその構造差を比較できる。開閉時に上弓および咬合平面と顆路指導との相対関係が変わるため、影響を受ける項目として矢状顆路傾斜角を選ぶ判断につながる。

選択肢の確認

a.矢状切歯路角
誤り。
矢状切歯路角は切歯指導板や前歯の誘導によって規定される角度です。アルコン型と非アルコン型の開閉構造の違いを直接示す代表的な差ではありません。

b.側方切歯路角
誤り。
側方切歯路角も切歯指導部や前歯誘導に関係します。単純な咬合挙上で両咬合器の構造差が現れる中心項目ではありません。

c.矢状顆路傾斜角
正しい。
顆頭球と顆路指導部の配置が異なるため、咬合器を開いて咬合挙上すると、上顎咬合平面に対する矢状顆路傾斜角の関係に差が生じます。

d.側方顆路傾斜角
誤り。
側方顆路傾斜角は側方運動時の顆路指導に関係します。咬合挙上という開閉運動で問われる構造差の代表は矢状顆路傾斜角です。

e.イミディエイトサイドシフト
誤り。
イミディエイトサイドシフトは側方運動開始時の作業側顆頭の側方移動量です。単純な開閉による咬合挙上で生じる差ではありません。

覚えるポイント

  • アルコン型は顆頭球が下弓、顆路指導部が上弓です。
  • 非アルコン型ではこの配置が逆です。
  • 咬合挙上時に構造差が現れる代表は矢状顆路傾斜角です。

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