115A077|第115回 歯科医師国家試験 過去問
40 歳の女性。上顎左側歯列の咬み合わせの違和感を主訴として来院した。 6か 月前に⑤ 6⑦のブリッジを装着してから続いているという。口腔内および歯列模 型上で咬合接触を確認することとした。習慣性閉口位の口腔内写真 (別冊No. 28 A 、咬頭嵌合位の口腔内写真 (別冊No. 28B 及び模型の写真 (別冊No. 28C を別 に示す。 早期接触が最も疑われる咬頭斜面はどれか。 1つ選べ。

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正解: c
正答
c
この問題のポイント
習慣性閉口位から咬頭嵌合位へ至る途中で顎位がずれる場合、最初に接触して下顎を滑走させる早期接触の咬頭斜面を特定します。
解説
患者は上顎左側の⑤6⑦ブリッジ装着後から咬み合わせの違和感を訴えています。写真Aの習慣性閉口位と写真Bの咬頭嵌合位を比較すると、最初の接触後に下顎が側方へ偏位しながら最終的な咬頭嵌合位へ移動していることが分かります。
模型上では、下顎の滑走方向と反対向きの斜面が下顎を誘導します。提示された咬頭斜面のうち、ウの部位がこの偏位を生じさせる早期接触点として最も疑われます。
早期接触の診査では、咬合紙だけでなく、薄い咬合検査材、シリコーン咬合印記材、患者の閉口経路、触診などを組み合わせます。印記が大きい部位が必ずしも最初の接触とは限らないため、接触の時間的順序と下顎の滑走を確認します。
症例問題の解き方
習慣性閉口位と咬頭嵌合位の正中・歯列関係を比較し、下顎がどちらへ滑るかを確認します。その滑走を起こす咬頭斜面を模型上で選びます。
画像の確認
実画像では、習慣性閉口位と咬頭嵌合位の口腔内写真で下顎正中の位置が変化しており、閉口終末に側方偏位が生じることが分かる。模型上のア〜オのうち、ウの斜面接触はその偏位方向へ下顎を誘導する向きにあるため、早期接触部としてウを選ぶ根拠になる。
選択肢の確認
a.ア
誤り。
アの咬頭斜面は、写真でみられる下顎の偏位方向を生じさせる主要な早期接触点とは一致しません。
b.イ
誤り。
イの部位は咬合接触候補の一つですが、習慣性閉口位から咬頭嵌合位への滑走方向を説明する斜面ではありません。
c.ウ
正答。最も疑われます。
ウの咬頭斜面で先に接触すると、下顎が写真Bの咬頭嵌合位へ向かって側方に滑走します。ブリッジ装着後から症状が続く経過とも一致します。
d.エ
誤り。
エの接触では、提示された習慣性閉口位と咬頭嵌合位の差を最もよく説明できません。
e.オ
誤り。
オの部位も早期接触の候補として確認は必要ですが、下顎の偏位方向からはウが最も疑われます。
覚えるポイント
- 早期接触は、印記の大きさだけでなく最初に接触する時点を確認します。
- 習慣性閉口位から咬頭嵌合位への下顎の滑走方向を読むことが重要です。
- 補綴装置装着後の違和感では、装置上の咬頭斜面と閉口経路を確認します。