115C043|第115回 歯科医師国家試験 過去問
意欲低下や無関心といった性格変化や、自己中心的で短絡的な行動異常を特徴と するのはどれか。 1つ選べ。
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正解: d
正答
d
この問題のポイント
認知症のうち、記憶障害よりも先に人格変化、社会的行動の障害、脱抑制、無関心が目立つのは前頭側頭型認知症です。
解説
前頭側頭型認知症は、前頭葉および側頭葉前方部の変性を主体とする認知症です。前頭葉は意欲、判断、抑制、社会的行動、他者への配慮などに関係するため、障害されると早期から性格・行動の変化が現れます。
代表的な症状には、次のようなものがあります。
- 意欲低下、無関心
- 脱抑制、反社会的行動
- 自己中心的で短絡的な行動
- 常同行動、同じ行動の反復
- 食行動の変化、過食、甘い物への固執
- 共感性や社会性の低下
初期には記憶や見当識が比較的保たれることがあり、Alzheimer 病と異なる重要な点です。
歯科診療では、説明に対する反応が乏しい、同じ行動を繰り返す、診療室内で抑制の効かない行動を示すことがあります。本人の理解力だけでなく、介護者から普段の行動変化を聴取することが重要です。
ひっかけポイント
認知症の鑑別では、「最初に目立つ症状」を確認します。記憶障害、幻視、段階的悪化、人格変化のどれが中心かを整理します。
選択肢の確認
a.Parkinson 病
誤り。
Parkinson 病では安静時振戦、筋強剛、無動、姿勢反射障害などの運動症状が中心です。認知症を伴うことはありますが、設問のような早期の人格・行動変化を特徴とする疾患ではありません。
b.Alzheimer 病
誤り。
Alzheimer 病では、一般に近時記憶障害が早期から目立ち、徐々に見当識や遂行機能が低下します。性格変化も起こり得ますが、設問の行動異常を初期の中心症状とするのは前頭側頭型認知症です。
c.脳血管性認知症
誤り。
脳血管性認知症では、脳血管障害に対応した局所神経症状や、段階的な認知機能低下がみられます。障害部位によって症状は異なります。
d.前頭側頭型認知症
正しい。
前頭葉機能の低下により、無関心、脱抑制、自己中心的行動、常同行動などの人格・行動変化が早期から現れます。
e.Lewy 小体型認知症
誤り。
Lewy 小体型認知症では、認知機能の変動、具体的な幻視、Parkinson 症状、レム睡眠行動異常などが特徴です。
覚えるポイント
- 前頭側頭型認知症は人格変化と行動異常が早期から目立つ認知症です。
- Alzheimer 病は近時記憶障害、Lewy 小体型認知症は幻視と認知機能変動が重要です。
- 脳血管性認知症では段階的悪化と局所神経症状を確認します。