115D004|第115回 歯科医師国家試験 過去問
歯科医学総合総合問題
下唇の咬唇癖で生じるのはどれか。 1つ選べ。
解答・解説を見る
正解: d
正答
d
この問題のポイント
下唇の咬唇癖では、下唇を上下前歯の間へ巻き込みます。その力が上顎前歯を前方へ、下顎前歯を後方へ傾斜させます。
解説
下唇を咬むと、下唇が上顎前歯の口蓋側に入り込み、上顎前歯へ唇側方向の力を加えます。その結果、上顎前歯の唇側傾斜とoverjetの増大が起こりやすくなります。
一方、下顎前歯には舌側方向の圧が加わるため、下顎前歯の舌側傾斜を伴うことがあります。習癖と歯の移動方向を、実際に加わる力の向きから考えることが重要です。
選択肢の確認
a.過蓋咬合
誤り。
咬唇癖に伴って前歯部の被蓋が変化することはありますが、下唇の力による最も直接的な変化は上顎前歯の唇側傾斜です。
b.前歯部交叉咬合
誤り。
下唇の咬唇癖では上顎前歯が前方へ傾きやすく、上顎前歯が下顎前歯より舌側に位置する前歯部交叉咬合とは力の方向が合いません。
c.下顎臼歯の頰側傾斜
誤り。
下唇が主に作用するのは前歯部です。下顎臼歯の頰側傾斜は典型的変化ではありません。
d.上顎前歯の唇側傾斜
正しい。
上下前歯間へ入り込んだ下唇が上顎前歯を前方へ押し、唇側傾斜を生じさせます。
e.下顎のV 字型歯列弓
誤り。
下顎歯列弓全体をV字型に狭窄させることは、下唇の咬唇癖で生じる代表的変化ではありません。
覚えるポイント
- 下唇の咬唇癖では上顎前歯が唇側傾斜します。
- 下顎前歯は舌側傾斜し、overjetが増大しやすくなります。
- 口腔習癖は、力が加わる部位と方向から歯の移動を予測します。