116C030|第116回 歯科医師国家試験 過去問
74 歳の女性。上下顎全部床義歯の維持安定不良による咀嚼困難を主訴として来 院した。診察の結果、上顎にインプラント4 本を埋入したインプラントオーバーデ ンチャーを装着することとした。バーアタッチメントのスリーブを義歯床に取り付 けるため、ある操作を行った。スリーブ装着前の口腔内写真(別冊No. 8A)、ある 操作を行った写真(別冊No. 8B)、スリーブ装着時の写真(別冊No. 8C)及び装着 後の義歯の写真(別冊No. 8D)を別に示す。 矢印で示すある操作の目的はどれか。1 つ選べ。

解答・解説を見る
正解: e
正答
e
この問題のポイント
バーアタッチメントのスリーブを口腔内で義歯床へ固定するときは、レジンがバー下へ流入して義歯を外せなくなる事故を防ぎます。
解説
写真Bではバー直下やアバットメント周囲のアンダーカットを材料でブロックアウトしています。スリーブを即時重合レジンで義歯床へ取り込む際、固定用レジンがバー下やアンダーカットへ迷入すると、硬化後に義歯を撤去できなくなる危険があります。
そのため、固定操作前にバー直下を確実に封鎖し、スリーブの可動や維持機構を妨げないようにします。
医療安全上のポイント
固定前に義歯の着脱経路、バー下の封鎖、余剰レジンの逃げ道を必ず確認します。
画像の確認
実画像では、4本の支台を連結する金属バーの直下に、Bで赤色の材料が盛られてアンダーカットが埋められている。Cではその上で金属スリーブを義歯床へレジン固定し、Dではスリーブが床内面に取り込まれているため、矢印の操作は硬化レジンがバー下へ入り義歯が撤去不能になるのを防ぐブロックアウトと分かる。
選択肢の確認
a.維持力の調節
誤り。維持力はスリーブの種類や調整機構で調節します。写真のブロックアウト操作の直接目的ではありません。
b.バーの位置確認
誤り。バーの位置確認は口腔内試適や義歯内面の適合確認で行います。
c.スリーブの仮固定
誤り。スリーブの仮固定は別の操作であり、矢印部はバー下の封鎖を示します。
d.バー直下歯肉の保護
誤り。歯肉保護の意味もありますが、術式上の主要目的はレジンのアンダーカットへの迷入防止です。
e.固定用レジンの迷入防止
正しい。バー直下をブロックアウトし、固定用レジンが迷入して義歯が撤去不能になるのを防ぎます。
覚えるポイント
- アタッチメント周囲のアンダーカットをブロックアウトする。
- レジン迷入は義歯撤去不能につながる。
- 口腔内ピックアップではスリーブ位置とレジン量を管理する。