116C057|第116回 歯科医師国家試験 過去問
歯科臨床歯科補綴学
80 歳の女性。2 年ぶりに上顎残根上全部床義歯装着後の定期検診で来院した。 7 付近の粘膜の口腔内写真(別冊No. 22A)、ガーゼで粘膜を拭った後の口腔内写 真(別冊No. 22B)及び使用中の義歯の写真(別冊No. 22C)を別に示す。 最初に行う対応はどれか。1 つ選べ。

解答・解説を見る
正解: d
正答
d
この問題のポイント
義歯装着者の拭き取れる白色病変では、義歯性口内炎・口腔カンジダ症を疑い、まず義歯衛生を改善します。
解説
写真では粘膜の白色付着物がガーゼで拭い取られ、発赤した粘膜が露出します。長期間使用された義歯の内面はカンジダのリザーバーになりやすく、連続装着、不十分な清掃、夜間装着が発症を助長します。
最初に義歯の機械的清掃、義歯洗浄剤の使用、夜間の義歯撤去、口腔粘膜の清掃を指導します。改善しない場合や重症例では抗真菌薬を検討します。
画像の確認
実画像では、上顎右側臼歯部の残根周囲粘膜に白色の小斑点状付着物がみえるが、ガーゼで拭った後には消失して下の粘膜が露出している。使用義歯には人工歯頸部を中心に多量の褐色沈着物が付いており、まず義歯を微生物の温床にしないための清掃指導を行う所見である。
選択肢の確認
a.生 検
誤り。生検は腫瘍性病変や診断困難な持続性病変で検討しますが、まず可逆的な義歯衛生因子へ対応します。
b.経過観察
誤り。原因となる義歯衛生不良を放置した経過観察では改善が期待できません。
c.抗菌薬投与
誤り。細菌感染を対象とする抗菌薬はカンジダ症を改善せず、菌交代を助長することがあります。
d.義歯の清掃指導
正答。まず行います。義歯の清掃指導と装着習慣の改善により、カンジダの温床を除きます。
e.副腎皮質ステロイド軟膏の塗布
誤り。副腎皮質ステロイドは局所免疫を抑制し、真菌感染を悪化させる可能性があります。
覚えるポイント
- 拭き取れる白苔はカンジダ症を疑う。
- 義歯清掃・夜間撤去が基本。
- ステロイド単独投与は真菌感染を悪化させ得る。