116C074|第116回 歯科医師国家試験 過去問
82 歳の女性。義歯の維持安定不良による咀嚼困難を主訴として来院した。診察 の結果、新しく上下顎全部床義歯を製作することとした。ろう義歯試適時では上顎 に問題はなかったが、咬合接触関係が咬合器上と異なっていたため、中心咬合位に てチェックバイトを採得した。ろう義歯の写真(別冊No. 30A)とチェックバイト 採得後の写真(別冊No. 30B)を別に示す。 この後の操作として正しいのはどれか。2 つ選べ。

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正解: b・d
正答
b、d
この問題のポイント
ろう義歯試適時に口腔内中心咬合位と咬合器上の咬合が一致しない場合、チェックバイトで下顎模型を再装着し、人工歯排列を修正します。
解説
上顎ろう義歯と上顎模型の関係に問題がなく、口腔内で中心咬合位のチェックバイトを採得しています。この記録を用いて下顎作業用模型を咬合器へ再装着し、正しい顎間関係に合わせて下顎人工歯を再排列します。
試適段階で大きな咬合誤差を削合だけで補うと、人工歯形態や咬合面が損なわれます。まず模型の位置関係と排列を修正します。
画像の確認
実画像では、Aのろう義歯は咬合器上で上下人工歯が接触しているが、Bでは口腔内中心咬合位を記録した赤色チェックバイトが左右臼歯部に介在している。この新しい顎間記録で作業用模型を咬合器へ再装着し、ずれが大きい下顎人工歯を正しい位置へ再排列するのが次の操作となる。
選択肢の確認
a.人工歯の削合
誤り。大きな咬合誤差を人工歯削合のみで修正すると、咬頭形態と咬合様式を損ないます。
b.下顎人工歯の再排列
正しい。再装着後の正しい顎間関係に合わせ、下顎人工歯を再排列します。
c.オクルーザルランプの付与
誤り。オクルーザルランプは本症例の顎間関係誤差を修正する操作ではありません。
d.作業用模型の咬合器再装着
正しい。チェックバイトを用いて下顎作業用模型を咬合器へ再装着します。
e.ろう義歯を用いた咬合圧印象
誤り。咬合圧印象は義歯床下粘膜の印象法で、ろう義歯試適時の咬合誤差修正とは異なります。
覚えるポイント
- チェックバイトで下顎模型を再装着する。
- 大きな誤差は削合でなく再排列する。
- 試適時に顎間関係を修正してから重合へ進む。