116D037|第116回 歯科医師国家試験 過去問
78 歳の女性。硬いものが嚙みにくいことを主訴として来院した。10 年前から2 型糖尿病によりインスリン療法を受けているという。頭頸部における疼痛の訴えは なく、最大開口量(義歯の切歯間距離)は43 mm であった。全部床義歯の適合と咬 合に問題はない。初診時の口腔内写真(別冊No. 7A、B)を別に示す。 次に行う検査として適切なのはどれか。3 つ選べ。

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正解: a・b・c
正答
a、b、c
この問題のポイント
義歯の適合・咬合、顎関節に問題がないのに硬い物が嚙みにくい場合は、咀嚼機能を客観的に評価します。
解説
本症例は疼痛がなく最大開口量も十分で、顎関節障害を疑う情報はありません。そこで、ガム試験、咬合力検査、咀嚼能力検査により、食塊形成・混和、発揮できる力、実際の粉砕・溶出能力を評価します。
高齢者では糖尿病、筋力低下、義歯使用状況などが咀嚼機能へ影響します。検査結果を基に、義歯調整、咀嚼訓練、食形態への助言を検討します。
画像の確認
実画像では、上下顎とも無歯顎で、義歯床支持域の粘膜に大きな潰瘍・腫瘤や義歯装着を妨げる局所病変はみえない。本文でも義歯適合・咬合、開口量、疼痛に問題がないため、硬い物を噛みにくい訴えはガム試験、咬合力検査、咀嚼能力検査で咀嚼機能そのものを客観化する。
選択肢の確認
a.ガム試験
正しい。ガム試験は咀嚼による混和や色変化などから咀嚼機能を評価できます。
b.咬合力検査
正しい。咬合力検査は咬合時に発揮される力を客観的に測定します。
c.咀嚼能力検査
正しい。咀嚼能力検査は試験食品の粉砕やグルコース溶出などを用いて咀嚼能力を評価します。
d.顎関節部MRI
誤り。顎関節部MRIは円板転位などを疑う場合に用いますが、疼痛も開口制限もない本症例の次の検査ではありません。
e.改訂水飲みテスト
誤り。改訂水飲みテストは嚥下機能のスクリーニングであり、主訴は咀嚼困難です。
覚えるポイント
- 咀嚼の訴えには咬合力と咀嚼能力を評価します。
- 顎関節MRIは関節症状があるときに検討します。
- 咀嚼検査と嚥下検査を区別します。