117A006|第117回 歯科医師国家試験 過去問
歯科医学総合総合問題
ある装置の製作に用いた石膏模型(別冊No. 2A)と装置の写真(別冊No. 2B)を別 に示す。 改善されるのはどれか。1 つ選べ。

解答・解説を見る
正解: c
正答
c
この問題のポイント
口蓋裂などで口腔と鼻腔の交通を補う乳児用装置は、吸啜時の陰圧形成を助け、哺乳機能を改善します。
解説
乳児の口蓋裂では、口腔と鼻腔が交通しているため、乳首を口蓋へ押し当てて十分な陰圧をつくりにくく、哺乳時間の延長、鼻腔への漏出、体重増加不良などを生じることがあります。
哺乳床・哺乳補助床は裂部を補い、舌が乳首を圧迫できる支持面を与えます。これにより乳汁を取り込みやすくし、哺乳を改善します。
画像の確認
実画像では、Aの乳児上顎模型に正中部の大きな裂隙があり、Bのピンク色の床状装置がその裂隙を覆う形になっている。口腔と鼻腔の交通を床で遮って吸啜時の陰圧形成を助ける形態であり、改善対象を哺乳とする正答cにつながる。
選択肢の確認
a.構 音
誤り。
構音は発語獲得後の評価項目です。乳児用の哺乳補助装置の第一目的ではありません。
b.呼 吸
誤り。
気道そのものを拡張する装置ではないため、呼吸改善が主目的ではありません。
c.哺 乳
正しい。
口蓋裂部を補って吸啜・圧搾を助け、哺乳効率を改善します。
d.口唇閉鎖
誤り。
口唇閉鎖は口唇形成や口輪筋機能などとの関係が大きく、この装置の主目的ではありません。
e.鼻咽腔閉鎖
誤り。
鼻咽腔閉鎖は軟口蓋と咽頭壁による発音・嚥下時の閉鎖機能です。乳児用哺乳床が直接改善する機能ではありません。
覚えるポイント
- 口蓋裂乳児では口腔内陰圧をつくりにくく、哺乳障害が起こります。
- 哺乳床は裂部を補い、舌と乳首の圧接を助けます。
- 哺乳、構音、鼻咽腔閉鎖を同じ機能として扱わないことが重要です。