117B024|第117回 歯科医師国家試験 過去問
歯科臨床歯科補綴学
上顎両側中切歯の歯冠補綴を行うこととした。前処置中の口腔内写真(別冊No. 3 A、B)を別に示す。 この前処置の目的はどれか。2 つ選べ。

2つ選択
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正解: c・e
正答
c、e
この問題のポイント
歯冠補綴前の歯冠長延長処置では、補綴物を保持する健全歯質と、歯周組織の健康を保つ距離を確保します。
解説
歯肉縁下まで歯質欠損が及ぶ歯にクラウンを装着する場合、歯冠長延長術などによって歯肉縁上に健全歯質を露出させます。これにより、支台歯を取り囲む健全歯質によるフェルール効果が得られ、歯根破折や支台築造体の脱離に抵抗しやすくなります。
また、修復物辺縁が骨縁上組織付着を侵害しないよう、歯槽骨頂から補綴物辺縁まで適切な距離を確保します。
画像の確認
実画像では、Aで破折して短くなった上顎両側中切歯をワイヤーで牽引し、Bでは歯肉弁を剝離・縫合して根面周囲の健全歯質を歯肉縁上へ露出させている。クラウンが把持するフェルールと、修復物辺縁から歯槽骨までの骨縁上組織付着を確保する処置であり、正答c・eを支持する。
選択肢の確認
a.歯髄除去
誤り。
歯髄除去は歯内療法の目的であり、歯周外科的前処置の主目的ではありません。
b.歯根長の延長
誤り。
歯根そのものの長さは延長できません。露出する臨床歯冠長を増加させる処置です。
c.フェルールの獲得
正しい。
歯肉縁上に健全歯質を確保し、支台歯を一周するフェルールを得ることで破折抵抗性を高めます。
d.支台歯平行性の確保
誤り。
支台歯平行性は主に支台歯形成で調整する事項で、この前処置の中心目的ではありません。
e.生物学的幅径〈骨縁上組織付着〉の獲得
正しい。
補綴物辺縁が骨縁上組織付着を侵害しないよう、歯槽骨頂との適切な距離を確保します。
覚えるポイント
- フェルールは歯冠部健全歯質を一周して確保する。
- 補綴物辺縁は骨縁上組織付着を侵害しない。
- 歯冠長延長術は臨床歯冠長を増やす処置である。