117B083|第117回 歯科医師国家試験 過去問
28 歳の女性。開口困難を主訴として来院した。2 年前から左側顎関節部の疼痛 を自覚し、近医でスプリント療法を受けていたが、開口量が2 横指まで減少してき たという。初診時のエックス線画像(別冊No. 30A)、左側顎関節部のCT(別冊 No. 30B)、MRI(別冊No. 30C)及び切除物のH-E 染色病理組織像(別冊No. 30D) を別に示す。 診断名はどれか。1 つ選べ。

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正解: d
正答
d
この問題のポイント
顎関節の滑膜性骨軟骨腫症では、滑膜内に軟骨結節が形成され、関節腔内に多数の遊離体を生じます。
解説
滑膜性骨軟骨腫症は、顎関節部の疼痛、腫脹、開口障害、関節雑音などを呈します。CTでは石灰化した遊離体、MRIでは非石灰化結節や関節液、滑膜増殖を評価できます。病理では硝子軟骨性結節を認めます。
変形性顎関節症では下顎頭の扁平化、骨棘、皮質骨硬化などが中心です。骨肉腫では悪性骨形成、リウマチ性顎関節炎では両側性の炎症性関節破壊などを考えます。
画像の確認
実画像では、左顎関節腔周囲に複数の小さな石灰化遊離体がCTで見え、MRIでも下顎頭周囲に結節状構造と関節包内の信号変化がある。切除物は軟骨小腔内の軟骨細胞を含む硝子軟骨結節であり、滑膜性骨軟骨腫症の正答dを支持する。
選択肢の確認
a.骨 腫
誤り。
骨腫は成熟骨からなる良性骨腫瘍で、関節腔内に多数の軟骨性遊離体を形成する病変ではありません。
b.骨肉腫
誤り。
骨肉腫は悪性骨形成腫瘍で、急速な骨破壊や腫瘍性類骨形成を示します。
c.変形性顎関節症
誤り。
変形性顎関節症では骨棘、下顎頭扁平化、皮質骨びらんなどが中心で、滑膜性軟骨結節とは異なります。
d.滑膜性骨軟骨腫症
正しい。
疼痛と開口障害に加え、関節腔内の軟骨性結節・遊離体を示す所見は滑膜性骨軟骨腫症に合致します。
e.リウマチ性顎関節炎
誤り。
リウマチ性顎関節炎は全身性炎症疾患に伴う滑膜炎と関節破壊を示しますが、軟骨性遊離体が主所見ではありません。
覚えるポイント
- 滑膜性骨軟骨腫症は関節内遊離体を形成する。
- CTは石灰化、MRIは滑膜・非石灰化結節の評価に有用である。
- 病理では軟骨結節を確認する。