117C037第117回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科補綴学

82 歳の男性。上顎全部床義歯の脱落を主訴として来院した。診察の結果、義歯 を製作することとした。個人トレー製作時に研究用模型で前歯部顎堤をパラフィン ワックスでリリーフし、ある操作(丸印で示す部位)を行った。初診時の口腔内写真 (別冊No. 10A)、触診時の口腔内写真(別冊No. 10B)、個人トレーの写真(別冊 No. 10C)及び精密印象の写真(別冊No. 10D)を別に示す。 この印象法はどれか。1 つ選べ。

117C037の問題画像
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正解: d

正答

d

この問題のポイント

支持に適した部位には圧を加え、フラビーガムなど変形しやすい部位は逃がす方法が選択的加圧印象です。

解説

上顎前歯部顎堤に可動性の高い粘膜がある場合、通常の加圧印象では組織が変形した状態で記録され、義歯装着後の復元力によって義歯が脱落しやすくなります。個人トレーで前歯部をリリーフし、必要に応じて遁出孔を設けることで、その部位への圧を減らします。

一方、硬い支持域には適度な圧を加えて機能時の支持を得ます。このように部位ごとに圧を選択するため、選択的加圧印象です。

画像の確認

実画像では、上顎前歯部顎堤が指で容易に変位するフラビーな形態を示し、個人トレーの同部には複数の遁路孔が設けられている。可動粘膜を無圧で、それ以外を加圧して採得した印象面が、選択的加圧印象とする正答dに対応する。

選択肢の確認

a.加圧印象
誤り。
加圧印象は顎堤粘膜全体を機能圧下で記録する考え方で、フラビー部を選択的に逃がす方法とは異なります。

b.咬座印象
誤り。
咬座印象は患者の咬合力を利用して印象を採得する方法です。

c.咬合圧印象
誤り。
咬合圧印象も咬合力を加えた状態で機能的に記録する方法です。

d.選択的加圧印象
正しい。
支持域には適度な圧を加え、変形しやすい前歯部顎堤はリリーフして圧を減らす選択的加圧印象です。

e.ダイナミック印象
誤り。
ダイナミック印象は義歯を利用し、機能運動下で粘膜面を記録する方法です。

覚えるポイント

  • フラビーガムは無圧または低圧で記録する。
  • 支持に適した部位には適度な圧を加える。
  • リリーフと遁出孔で印象圧を調整する。

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