117D070第117回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯科補綴学

65 歳の男性。ブリッジの動揺を主訴として来院した。1 か月前に気付いていた が痛みがないためそのままにしていたという。診察の結果、上顎右側犬歯と第一大 臼歯を支台とするブリッジの支台装置の一方に脱離がみられた。ブリッジの除去 後、支台歯を確認し補綴処置をすることとした。初診時のエックス線画像(別冊 No. 22A)とブリッジ除去後の口腔内写真(別冊No. 22B)を別に示す。歯周組織検 査結果の一部を表に示す。 唇 側* ③ ② ③ 歯 種 3 口蓋側* ③ 2 3 動揺度** 0 * :プロービング深さ(mm) 〇印:プロービング時の出血 ** :Miller の判定基準 補綴前処置で行うのはどれか。1 つ選べ。

117D070の問題画像
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正解: c

正答

c

この問題のポイント

ブリッジ除去後、支台歯の歯質欠損が深く歯肉縁下まで及んでいます。補綴可能な健全歯質を露出するため歯冠長延長術を行います。

解説

写真では上顎右側犬歯の残存歯質が少なく、齲蝕・破折部が歯肉縁下に位置しています。このままでは補綴物辺縁の設定、印象採得、接着、フェルールの確保が困難で、骨縁上組織付着も侵害しやすくなります。

歯冠長延長術では歯肉弁を剝離し、必要に応じて歯槽骨を整形して、修復辺縁と骨頂の間に適切な軟組織付着の空間を確保しながら健全歯質を歯肉縁上へ露出します。

画像の確認

実画像では、ブリッジ除去後の上顎右側犬歯に齲蝕性欠損が広がり、歯肉縁上に残る健全歯質が極めて少ない。補綴物のフェルールと辺縁設定に必要な歯質を露出する歯冠長延長術が必要であり、正答cを支える。

選択肢の確認

a.骨移植術
誤り。骨移植術は骨欠損の再生を目的とし、歯肉縁下の健全歯質を露出する処置ではありません。

b.歯肉切除術
誤り。単純な歯肉切除だけでは、骨頂との距離を確保できず骨縁上組織付着を侵害する可能性があります。

c.歯冠長延長術
正しい。歯冠長延長術により健全歯質、補綴マージン、フェルール、適切な骨頂との距離を確保します。

d.口腔前庭拡張術
誤り。口腔前庭拡張術は前庭の深さや付着歯肉幅を改善する処置です。

e.歯肉弁歯冠側移動術
誤り。歯肉弁歯冠側移動術は主に根面被覆を目的とし、臨床的歯冠を長くする処置ではありません。

覚えるポイント

  • 歯肉縁下歯質欠損では歯冠長延長術を検討する。
  • 目的は健全歯質とフェルールの確保。
  • 補綴辺縁と骨頂の距離を確保して骨縁上組織付着を守る。

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