118A008|第118回 歯科医師国家試験 過去問
歯科臨床口腔外科学
甲状舌管囊胞の発生原因はどれか。1 つ選べ。
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正解: a
正答
a
この問題のポイント
甲状舌管囊胞は、甲状腺の下降経路にある甲状舌管が消失せずに残ることで生じる発生異常です。
解説
甲状腺原基は胎生期に舌盲孔付近から発生し、頸部正中を下降して最終的な位置へ移動します。この通路が甲状舌管です。通常は消失しますが、一部が遺残すると上皮性の囊胞を形成します。
典型的には頸部正中にみられ、舌骨付近との関係が深く、嚥下や舌突出に伴って動くことがあります。
ひっかけポイント
正中頸囊胞では、癒合不全よりも「発生過程で一時的に存在する管の遺残」を考えます。
選択肢の確認
a.遺 残
正しい。
本来消失する甲状舌管が残存することで甲状舌管囊胞が生じます。
b.異常癒合
誤り。
甲状舌管囊胞の本態は組織同士の異常な癒合ではなく、管腔構造の遺残です。
c.過剰発育
誤り。
甲状腺組織や周囲組織が過剰に発育することが直接の原因ではありません。
d.発育抑制
誤り。
甲状腺の発育が抑制される病態ではなく、下降経路の一部が消失しないことが原因です。
e.癒合不全
誤り。
癒合不全は口唇裂や口蓋裂などで重要な機序ですが、甲状舌管囊胞では甲状舌管の遺残が中心です。
覚えるポイント
- 甲状舌管囊胞は甲状舌管の遺残で生じます。
- 好発部位は頸部正中、とくに舌骨付近です。
- 嚥下や舌突出で動くことが鑑別の手掛かりになります。