118A025|第118回 歯科医師国家試験 過去問
35 歳の女性。就寝時の歯ぎしりを主訴として来院した。診察の結果、ある装置 を就寝時に装着することとした。装置装着前の口腔内写真(別冊No. 6A)と装着時 の口腔内写真(別冊No. 6B)を別に示す。 この装置で防止できるのはどれか。2 つ選べ。

解答・解説を見る
正解: c・d
正答
c、d
この問題のポイント
睡眠時ブラキシズムに対するスプリントは、上下顎歯を直接接触させず、歯や補綴装置へ加わる過大な咬合力を分散する保護装置です。
解説
写真の装置は、一般にスタビライゼーションスプリントとして用いられます。咬合面を被覆し、均等な接触と滑らかな偏心運動を与えることで、歯の咬耗やクラウン・修復物の破折を防ぎます。
スプリントはブラキシズムそのものを必ず消失させる装置ではありません。定期的に装置の摩耗、咬合、清掃状態を確認します。
医療安全上のポイント
長時間装着では清掃不良や不適切な咬合に注意し、装置を自己判断で調整しないよう指導します。
画像の確認
実画像では、透明な上顎スプリントが歯列全体の咬合面と切縁を連続して被覆している。歯同士の直接接触を遮るため、歯の咬耗と歯冠破折を防ぐ正答c・dに対応する。
選択肢の確認
a.齲 蝕
誤り。
スプリントには齲蝕予防効果はありません。清掃不良のまま装着すると、プラーク停滞により齲蝕リスクが高まることもあります。
b.歯の圧下
誤り。
ブラキシズムによる歯の圧下を防ぐことが主目的ではありません。不適切な部分被覆装置では歯の移動や挺出を招くことがあります。
c.歯の咬耗
正しい。
上下顎歯の直接接触を避け、摩耗を装置側に受け持たせることで歯質を保護します。
d.クラウンの破折
正しい。
過大な咬合力を分散し、クラウンやセラミック修復物の破折リスクを軽減します。
e.プラークの付着
誤り。
装置はプラーク付着を防止しません。装置と歯面の清掃を継続する必要があります。
覚えるポイント
- スプリントは歯の咬耗と補綴装置の破損を予防します。
- ブラキシズムを完全に治癒させる装置とは限りません。
- 装置の清掃と定期的な咬合調整が必要です。