118B030|第118回 歯科医師国家試験 過去問
36 歳の男性。舌の腫脹を主訴として来院した。6 か月前から気付いていたが、 痛みがないためそのままにしていたところ、徐々に増大してきたという。初診時の 口腔内写真(別冊No. 6A)、MRI(別冊No. 6B)及び摘出物のH-E 染色病理組織像 (別冊No. 6C)を別に示す。 診断名はどれか。1 つ選べ。

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正解: d
正答
d
この問題のポイント
舌に生じる無痛性で緩徐に増大する病変では、色調、圧縮性、MRI信号、血管腔の組織像から血管系病変を鑑別します。
解説
静脈奇形は低流速型の血管奇形で、舌や口唇などにみられます。一般に青紫色で軟らかく圧縮性を示し、MRIではT2強調像で高信号を示すことがあります。病理では拡張した静脈性血管腔がみられます。
従来は血管腫と呼ばれていた病変の一部が、現在は血管奇形として分類されます。
画像の確認
実画像では、舌尖近くに青みを帯びた粘膜下腫瘤があり、MRIでは同部がT2強調像で高信号を示している。組織像には赤血球を満たした大小の血管腔が多数みられ、血管腫〈静脈奇形〉とする正答dに対応する。
選択肢の確認
a.脂肪腫
誤り。
脂肪腫は黄色調で軟らかいことがあり、MRIでは脂肪に近い信号を示します。拡張した血管腔を主体とする病変ではありません。
b.多形腺腫
誤り。
多形腺腫は小唾液腺にも生じる良性腫瘍ですが、血管性病変の画像・病理所見とは異なります。
c.膿原性肉芽腫
誤り。
膿原性肉芽腫は赤色で易出血性の外向性病変としてみられ、比較的短期間に増大します。静脈性血管腔を主体とする病変ではありません。
d.血管腫〈静脈奇形〉
正しい。
血管腫〈静脈奇形〉は舌に発生し、緩徐に増大する低流速性血管病変として本症例に合致します。
e.リンパ管腫〈リンパ管奇形〉
誤り。
リンパ管腫〈リンパ管奇形〉は小児期からみられることが多く、表面に透明・黄白色の小水疱状変化を示すことがあります。静脈奇形とは画像・組織構造が異なります。
覚えるポイント
- 静脈奇形は低流速型血管奇形です。
- MRIでは一般にT2強調像で高信号を示します。
- リンパ管奇形では小水疱状の表面変化を伴うことがあります。