118B036|第118回 歯科医師国家試験 過去問
42 歳の男性。下顎左側第一小臼歯の着色を主訴として来院した。1 年前に気付 いたが強い痛みがないためそのままにしていたという。自発痛と打診痛はないが、 冷刺激による一過性の疼痛を認める。修復処置を行うこととした。初診時の口腔内 写真(別冊No. 9A)とエックス線画像(別冊No. 9B)を別に示す。 修復材料と必要な器材の組合せで正しいのはどれか。1 つ選べ。

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正解: a
正答
a
この問題のポイント
歯頸部や歯肉縁下へ及ぶコンポジットレジン修復では、接着操作のための防湿と辺縁明示を目的に圧排糸を用います。
解説
冷刺激による一過性疼痛で自発痛・打診痛がないことから、歯髄は生活しており、可逆性の刺激症状を考えます。歯肉縁に近い歯頸部病変をコンポジットレジンで修復する場合は、圧排糸で窩縁を明示し、防湿を補助します。
圧排糸は歯肉溝へ挿入し、歯肉を一時的に排除して窩縁を明示し、歯肉溝滲出液や出血による接着阻害を防ぎます。
画像の確認
実画像では、下顎左側第一小臼歯の頰側歯頸部に境界明瞭な褐色の実質欠損があり、欠損は歯肉縁に近接している。圧排糸で歯肉と滲出液を管理してコンポジットレジン修復を行う正答aを支える。
選択肢の確認
a.コンポジットレジン 圧排糸
正しい。
歯肉縁に近いコンポジットレジン修復では、圧排糸で歯肉を排除して窩縁を明示し、防湿・止血を補助します。
b.コンポジットレジン マトリックスバンド
誤り。
マトリックスバンドは隣接面壁を形成するⅡ級窩洞などで用います。本症例で必要な器材としては圧排糸が適切です。
c.コンポジットレジン リング状リテーナー
誤り。
リング状リテーナーはマトリックスを保持する目的で用いる器具で、歯頸部辺縁の歯肉圧排には用いません。
d.グラスアイオノマーセメント ウェッジ
誤り。
ウェッジは隣接面修復でマトリックスを歯頸部へ適合させ、歯間分離を得るために用います。本症例の組合せではありません。
e.グラスアイオノマーセメント クラウンフォーム
誤り。
クラウンフォームは広範な歯冠修復や暫間的な歯冠形態付与などで用います。局所的な歯頸部病変の修復器材ではありません。
覚えるポイント
- 歯肉縁付近の接着修復では防湿と歯肉圧排が重要です。
- 圧排糸は窩縁の明示と滲出液・出血の管理に用います。
- マトリックスとウェッジは主に隣接面形態を回復する器材です。