118B067|第118回 歯科医師国家試験 過去問
74 歳の女性。舌尖部の腫脹を主訴として来院した。3 か月前に自覚したが、疼 痛がないためそのままにしていたところ、徐々に大きくなってきたという。弾性硬 で軽度圧痛を認めるが、舌の知覚に異常はない。初診時の口腔内写真(別冊No. 20 A)、MRI 脂肪抑制T2 強調像(別冊No. 20B)、FDG-PET/CT(別冊No. 20C)及 び生検時のH-E 染色病理組織像(別冊No. 20D)を別に示す。 適切な治療法はどれか。1 つ選べ。

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正解: d
正答
d
この問題のポイント
生検で悪性腫瘍が疑われる舌病変では、単純な摘出ではなく、安全域を含めた外科的切除が基本です。
解説
本症例では、MRI、FDG-PET/CT、生検によって病変の広がり、代謝活性、組織型を評価したうえで治療方針を決めます。局所浸潤や再発の可能性がある腫瘍性病変では、単純な摘出ではなく切除縁を確保した外科的切除が必要です。
画像・病理で見るポイント
MRIでは深部への広がり、FDG-PET/CTでは代謝亢進と転移、病理では細胞異型、浸潤性増殖、由来組織を確認します。
治療法は病理診断、腫瘍径、深達度、リンパ節転移、全身状態を総合して決めます。
画像の確認
実画像では、舌前方に表面が発赤した結節状腫瘤があり、MRIとPET/CTでも同部に限局した腫瘤と強い集積がみられる。組織像には腺管・篩状構造を作る腫瘍胞巣があり、外科的切除を選ぶ正答dを支える。
選択肢の確認
a.摘 出
誤り。
摘出は病変を被膜に沿って取り出す良性腫瘍で用いる表現です。悪性または浸潤性病変では切除縁を確保する外科的切除が必要です。
b.化学療法
誤り。
化学療法は腫瘍の種類や進行度に応じて併用することがありますが、局所切除可能な本病変の第一選択ではありません。
c.免疫療法
誤り。
免疫療法は特定の進行・再発悪性腫瘍などで検討されますが、本症例の局所治療として最も適切ではありません。
d.外科的切除
正答。最も適切です。
病変の浸潤範囲を評価し、安全域を含めて外科的に切除します。
e.組織内照射
誤り。
組織内照射は病変部位や組織型、進行度を選んで行う放射線治療です。本症例での第一選択ではありません。
覚えるポイント
- 悪性・浸潤性病変では安全域を含む外科的切除を行います。
- 摘出は主に境界明瞭な良性病変で用います。
- 治療方針は病理、深達度、転移、全身状態で決めます。