118B068|第118回 歯科医師国家試験 過去問
65 歳の男性。下顎左側第一大臼歯の痛みを主訴として来院した。昨晩、強い痛 みのため眠れなかったという。著しい打診痛があり、歯髄電気診に生活反応を示し た。初診時の口腔内写真(別冊No. 21A)とエックス線画像(別冊No. 21B)を別に示 す。歯周組織検査結果の一部を表に示す。 舌 側* 3 3 3 3 3 ⑨ ④ 3 ④ 歯 種 5 6 7 頰 側* 3 3 3 3 3 ⑨ 3 3 ③ 動揺度** 0 1 0 * :プロービング深さ(mm) 〇印:プロービング時の出血 ** :Miller の判定基準 まず行うのはどれか。1 つ選べ。

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正解: a
正答
a
この問題のポイント
強い自発痛・夜間痛があり、歯髄生活反応を示す歯では不可逆性歯髄炎を考え、まず抜髄で炎症歯髄を除去します。
解説
本症例では強い疼痛で睡眠できず、著しい打診痛もあります。歯髄電気診で生活反応があるため、歯髄壊死ではなく生活歯髄の重度炎症を考えます。打診痛は根尖部歯根膜へ炎症が波及していることを示します。
抜髄では麻酔下に歯髄を除去し、根管形成・洗浄を行って疼痛原因を取り除きます。
症例問題の解き方
自発痛・夜間痛は歯髄、打診痛は歯根膜、歯髄電気診は歯髄反応をみる検査です。三者をつなげて診断します。
画像の確認
実画像では、下顎左側第一大臼歯に広い金属修復があり、X線像では根尖部に明瞭な透過像がないまま歯髄生活反応が保たれている。強い自発痛と打診痛を伴う不可逆性歯髄炎への初期処置として抜髄を行う正答aに対応する。
選択肢の確認
a.抜 髄
正答。まず行います。
生活反応を示す不可逆性歯髄炎が疑われ、強い疼痛を除くため炎症歯髄を抜髄します。
b.生活断髄
誤り。
生活断髄は根未完成歯や適応を選んだ生活歯髄療法で行います。65歳で重度の自発痛と根尖歯周組織症状を伴う本症例の第一選択ではありません。
c.感染根管治療
誤り。
感染根管治療は歯髄壊死・根管感染がある歯で行います。本症例では歯髄生活反応があるため、まず抜髄です。
d.ヘミセクション
誤り。
ヘミセクションは多根歯の一部根を歯冠とともに切除する処置で、保存不能な特定根の病変などで検討します。急性疼痛への初期処置ではありません。
e.スケーリング・ルートプレーニング
誤り。
深い歯周ポケットがあっても、本症例の強い自発痛と歯髄生活反応から歯髄由来疼痛を優先します。SRPだけでは疼痛原因を除去できません。
覚えるポイント
- 自発痛・夜間痛は不可逆性歯髄炎を示唆します。
- 打診痛は歯根膜炎症を示します。
- 生活歯の重度歯髄炎では抜髄を行います。