118B083|第118回 歯科医師国家試験 過去問
72 歳の女性。下顎の部分床義歯の破損を主訴として来院した。診察の結果、 3 に設置された単純鉤が破折していたため、支台装置を変更して補綴処置を行うこと とした。支台装置を装着後の口腔内写真(別冊No. 28A)と新義歯粘膜面の写真(別 冊No. 28B)を別に示す。 この支台装置を用いることによって改善するのはどれか。3 つ選べ。

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正解: a・d・e
正答
a、d、e
この問題のポイント
単純鉤から歯冠を低くした根面型支台装置へ変更すると、支持と審美性が向上し、臨床的歯冠長の短縮によって歯冠歯根長比が改善します。
解説
本問の支台装置は、残存歯を根面付近まで低くして義歯床内へ取り込むオーバーデンチャー型の支台装置と考えます。歯根を保存することで歯根膜支持を利用でき、義歯床の沈下を抑えます。
歯冠部を低くするため、支台歯に加わる側方性のモーメントが減少し、臨床的な歯冠歯根長比が改善します。また、頰側にクラスプ腕を露出させないため審美性が向上します。
画像の確認
実画像では、下顎顎堤の残存歯根上に低い磁性アタッチメントが装着され、義歯粘膜面には対応する磁石が埋め込まれている。根面支持を得て鉤を見せず、歯冠高を低くして歯冠歯根長比を改善する正答a・d・eを支える。
選択肢の確認
a.支 持
正しい。
保存した歯根と根面型支台装置が義歯の沈下を受け止め、歯根膜支持を付加します。
b.把 持
誤り。
把持は支台歯の側方的動揺に抵抗する作用で、クラスプの拮抗腕や隣接面板などで得ます。本装置の主な改善項目ではありません。
c.囲繞性
誤り。
囲繞性はクラスプが支台歯周囲を180度以上取り囲む性質です。クラスプを用いない根面型支台装置で改善する項目ではありません。
d.審美性
正しい。
外から見える単純鉤をなくし、支台装置を義歯床内へ収めることで審美性が向上します。
e.歯冠歯根長比
正しい。
歯冠高径を低くすると臨床的歯冠長が短縮し、歯根長に対する比が有利になります。
覚えるポイント
- 根面型支台装置は歯根膜支持を利用できます。
- 歯冠を低くすると側方力と回転モーメントを減らせます。
- クラスプを見えにくくして審美性を改善します。