118C032|第118回 歯科医師国家試験 過去問
咀嚼時における上顎義歯の動揺を主訴として来院した患者の口腔内写真(別冊 No. 5)を別に示す。 新義歯製作に際して主訴の改善に寄与するのはどれか。3 つ選べ。

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正解: a・b・c または a・b・e または b・c・e または a・c・e
正答
a、b、c 又は a、b、e 又は b、c、e 又は a、c、e
この問題のポイント
上顎全部床義歯の動揺は、支持・維持だけでなく、印象、顎間関係、人工歯排列による力の方向を総合して改善します。
解説
新義歯の安定には、適切な咬合床で顎間関係と唇頰側形態を評価し、顎堤に合った個人トレーと適切な流動性の印象材で機能的な床基礎面を記録することが重要です。また、前歯部人工歯が顎堤から過度に唇側へ排列されると転覆力が増すため、排列位置も動揺に影響します。
前歯部人工歯の材質は、耐摩耗性や審美性には関係しますが、義歯動揺の主要な決定因子ではありません。
受入れ解答の考え方
本問ではa、b、c、eの4項目が主訴改善に関与し得るため、指定された4通りの3項目組合せが受け入れられます。
画像の確認
実画像では無歯顎上顎の前歯部顎堤が器具の軽い圧で明瞭に変位し、可動性の高いフラビーガムであることが分かる。この部位を変形させず記録して義歯を安定させるには、咬合床と個人トレーの形状、精密印象材の流動性を調整するa、b、cが重要となる。
選択肢の確認
a.咬合床の形状
受入れ解答の構成要素です。咬合床の形状は口唇・頰・舌との調和、咬合平面、顎間関係の記録に影響し、完成義歯の安定に関係します。
b.個人トレーの形状
受入れ解答の構成要素です。個人トレーの形状が適切であれば、床縁と顎堤を機能的に記録し、支持・維持・安定を高められます。
c.精密印象材の流動性
受入れ解答の構成要素です。精密印象材の流動性は粘膜面の再現性と圧のかかり方に影響し、義歯床の適合と安定に関係します。
d.前歯部人工歯の材質
誤り。前歯部人工歯の材質は審美性や摩耗性に影響しますが、上顎義歯の動揺を改善する主要因ではありません。
e.前歯部人工歯の排列位置
受入れ解答の構成要素です。前歯部人工歯の排列位置が顎堤から外れすぎると転覆モーメントが増すため、適切な位置設定は安定に寄与します。
覚えるポイント
- 義歯の安定は印象、床縁、顎間関係、人工歯排列の総合結果です。
- 前歯を顎堤から過度に唇側へ排列すると転覆力が増します。
- 人工歯材質より、床基礎面と力の作用線が重要です。