118C033|第118回 歯科医師国家試験 過去問
77 歳の男性。食事中のむせを主訴として来院した。1 年前に脳梗塞を発症した が、現在はリハビリテーションを受けていない。食事形態は普通食であり、液体に はとろみをつけていないという。口腔機能検査では異常値が認められなかったが、 嗄声を生じており、改訂水飲みテスト時にむせがあったため嚥下造影検査を行うこ ととした。液体の嚥下を記録した嚥下造影検査の画像(別冊No. 6)を別に示す。 推奨される間接訓練はどれか。1 つ選べ。

解答・解説を見る
正解: e
正答
e
この問題のポイント
嗄声と嚥下時のむせから、声門閉鎖不全による気道防御低下を考えます。間接訓練ではプッシング訓練が適します。
解説
プッシング訓練は、両手で壁や椅子を押すなどして上肢・体幹に力を入れながら発声や嚥下関連運動を行い、声帯内転と声門閉鎖を促す訓練です。嗄声は声門閉鎖不全を示唆し、嚥下時に気道を十分閉鎖できないと喉頭侵入・誤嚥が起こりやすくなります。
嚥下造影では、造影剤が喉頭前庭や声門下へ入る時相、咽頭残留の部位、喉頭挙上、食道入口部開大を確認します。
摂食嚥下リハビリテーションのポイント
訓練は障害部位に合わせて選びます。声門閉鎖不全にはプッシング訓練、食道入口部開大不全には頭部挙上訓練などを用います。
画像の確認
実画像の嚥下造影では、液体が口腔から咽頭へ移る過程と、咽頭期から終了後に喉頭入口部付近へ造影剤が入り込む像が示されている。嗄声という臨床所見も合わせると声門閉鎖不全への訓練が必要であり、声帯内転を促すプッシング訓練に対応する。
選択肢の確認
a.開口訓練
誤り。開口訓練は舌骨上筋群を賦活し、喉頭挙上や食道入口部開大の改善を目的とします。声門閉鎖不全への第一選択ではありません。
b.舌抵抗訓練
誤り。舌抵抗訓練は舌圧と食塊送り込み能力を高める訓練で、嗄声を伴う声門閉鎖不全には直接対応しません。
c.頭部挙上訓練
誤り。頭部挙上訓練は舌骨上筋群を強化し、食道入口部の開大を促す訓練です。
d.頸部可動域訓練
誤り。頸部可動域訓練は頸部の拘縮を改善し姿勢調整を容易にしますが、声門閉鎖を直接強化する訓練ではありません。
e.プッシング訓練
正しい。プッシング訓練は声帯内転と声門閉鎖を促し、気道防御機能の改善を期待できます。
覚えるポイント
- 嗄声は声門閉鎖不全の手掛かりです。
- プッシング訓練は声帯内転と声門閉鎖を促します。
- 頭部挙上訓練は食道入口部開大の改善を目的とします。