118C060第118回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床口腔外科学

54 歳の男性。オトガイ下部の腫脹を主訴として来院した。10 年前から自覚し、 痛みがないためそのままにしていたが、徐々に増大してきたという。摘出術を施行 した。初診時の顔貌写真(別冊No. 21A)、MRI 脂肪抑制T2 強調像(別冊No. 21B) 及び摘出物のH-E 染色病理組織像(別冊No. 21C)を別に示す。 診断名はどれか。1 つ選べ。

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正解: e

正答

e

この問題のポイント

口底・オトガイ下部の正中性囊胞性病変では、類表皮囊胞と類皮囊胞を病理組織で鑑別します。

解説

類表皮囊胞は、重層扁平上皮で裏装され、囊胞腔内に角化物を含む病変です。囊胞壁に皮脂腺、汗腺、毛包などの皮膚付属器を認めない点が類皮囊胞との鑑別点です。

口底に生じる場合、顎舌骨筋より上方では舌下部腫脹として、下方ではオトガイ下部の腫脹として現れます。長期間かけて無痛性に増大することが多く、治療は摘出です。

病理像で見るポイント
上皮の種類、囊胞腔内の角化物、囊胞壁に皮膚付属器があるかを確認します。

画像の確認

実画像Aではオトガイ下正中に大きく滑らかな腫脹があり、Bでは境界明瞭な嚢胞性病変、Cでは重層扁平上皮で裏装され内腔に層状角化物を含む像がみられる。皮膚付属器を伴わない角化性嚢胞の組合せは類表皮嚢胞に合致し、選択肢eを支持する。

選択肢の確認

a.鰓囊胞
誤り。鰓囊胞は頸部側方に好発し、リンパ組織を伴う囊胞壁が特徴です。正中オトガイ下部の病変とは合いにくい疾患です。

b.脂肪腫
誤り。脂肪腫は成熟脂肪細胞からなる充実性腫瘍で、角化物を含む上皮性囊胞ではありません。

c.ラヌーラ
誤り。ラヌーラは舌下腺由来の粘液貯留病変で、口底に青紫色・波動性の腫脹として現れます。

d.類皮囊胞
誤り。類皮囊胞では囊胞壁に毛包、皮脂腺、汗腺などの皮膚付属器を認めます。

e.類表皮囊胞
正しい。類表皮囊胞は重層扁平上皮で裏装され角化物を含み、囊胞壁に皮膚付属器を欠きます。

覚えるポイント

  • 類表皮囊胞は角化物を含み皮膚付属器を欠きます。
  • 類皮囊胞は囊胞壁に皮膚付属器を伴います。
  • 顎舌骨筋より下方の病変はオトガイ下部腫脹として現れます。

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