119B023|第119回 歯科医師国家試験 過去問
左側口底部の無痛性腫脹を主訴として来院した患者のMRI 脂肪抑制T 2 強調冠 状断像(別冊No. 2A)、脂肪抑制T 2 強調横断像(別冊No. 2B)及び拡散強調像(別 冊No. 2C)を別に示す。 最も疑われるのはどれか。1 つ選べ。

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正解: e
正答
e
この問題のポイント
口底部に生じる無痛性の嚢胞性腫脹では、舌下腺由来の粘液貯留・漏出病変である ラヌーラを考えます。
解説
ラヌーラは主に舌下腺の導管損傷や閉塞に関連して口底に生じる粘液囊胞です。口腔内に限局する単純性ラヌーラと、顎舌骨筋周囲を越えて顎下部へ進展する顎下型ラヌーラがあります。
MRIでは液体性病変の広がり、舌下隙・顎下隙との関係を評価します。拡散強調像は膿瘍や角化物を含む病変などとの鑑別に役立ちます。
画像の確認
実画像A・Bでは左側口底に境界明瞭で均一な強いT2高信号を示す囊胞性病変があり、舌下隙に沿って前後へ伸びている。拡散強調像Cでも内容液をもつ病変として描出され、舌下腺由来のラヌーラに合致する。
選択肢の確認
a.膿 瘍
設問で最も考えられるものではありません。
膿瘍では一般に疼痛、発赤、発熱などの炎症所見を伴い、拡散制限を示すことがあります。無痛性で慢性的な口底腫脹ではラヌーラを優先します。
b.脂肪腫
設問で最も考えられるものではありません。
脂肪腫は脂肪成分をもつ充実性病変で、脂肪抑制像で信号が低下します。液体性の口底病変とは性状が異なります。
c.唾石症
設問で最も考えられるものではありません。
唾石症では唾液腺管内の石灰化物や食事時痛・腫脹が手掛かりになります。口底の嚢胞性腫脹そのものを表す診断ではありません。
d.顎下腺炎
設問で最も考えられるものではありません。
顎下腺炎は疼痛や圧痛、食事時の症状、腺実質の炎症性変化を伴うことが多く、無痛性嚢胞性病変とは異なります。
e.ラヌーラ
正答。最も考えられます。
ラヌーラは舌下腺に関連して口底に生じる粘液囊胞で、無痛性の口底腫脹としてみられます。
覚えるポイント
- ラヌーラは舌下腺由来の口底部粘液囊胞です。
- 顎下部へ進展する顎下型があります。
- MRIでは液体性状と舌下隙・顎下隙への広がりを確認します。