119B038|第119回 歯科医師国家試験 過去問
75 歳の男性。口蓋の腫瘤が気になることを主訴として来院した。同部に骨様硬 の膨隆を認め、粘膜は一部白色を呈していた。初診時の口腔内写真(別冊No. 9A)、 CT(別冊No. 9B)及び生検のH-E 染色病理組織像(別冊No. 9C)を別に示す。 口蓋粘膜と上顎骨に対する対応の組合せで正しいのはどれか。1 つ選べ。

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正解: b
正答
b
この問題のポイント
白色変化を伴う口蓋粘膜病変は切除し、直下の骨性隆起が外傷や再発の要因となる場合は 口蓋隆起切除も行います。
解説
口蓋の骨様硬の膨隆は口蓋隆起を示唆します。隆起上の粘膜は薄く機械的刺激を受けやすいため、白色病変や潰瘍が持続する場合は病理診断に基づいて粘膜病変を切除し、必要に応じて原因となる骨隆起も除去します。
治療は粘膜病変と骨病変を別々に評価します。悪性所見がなければ上顎部分切除のような過大な手術は不要で、感染や炎症の根拠がなければ抗真菌薬やステロイドを漫然と用いません。
画像の確認
実画像A・Bでは硬口蓋正中に大きな分葉状骨性隆起があり、その表面粘膜の一部が白色化している。病理像Cでは上皮の異型性を伴う変化がみられるため粘膜病変を切除し、直下の口蓋隆起も同時に切除して閉鎖可能な術野を得る。
選択肢の確認
a.切 除 経過観察
誤り。
粘膜病変だけを切除して口蓋隆起を経過観察すると、隆起による反復刺激が残る可能性があります。
b.切 除 口蓋隆起切除
正しい。
口蓋粘膜病変を切除し、原因となる口蓋隆起も切除する組合せが適切です。
c.切 除 上顎部分切除
誤り。
上顎部分切除は悪性腫瘍などで骨を含む広範切除が必要な場合に行います。良性骨隆起への処置として過大です。
d.抗真菌薬の投与 経過観察
誤り。
抗真菌薬は口腔カンジダ症に用います。骨様硬の隆起と病理所見に基づく病変への対応ではありません。
e.副腎皮質ステロイド軟膏塗布 経過観察
誤り。
副腎皮質ステロイド軟膏は炎症性・免疫性粘膜疾患に用いることがありますが、切除を要する病変と骨隆起の根本処置にはなりません。
覚えるポイント
- 粘膜病変と直下の骨性病変を分けて評価します。
- 口蓋隆起上の薄い粘膜は外傷を受けやすい部位です。
- 病理診断に応じて必要十分な切除範囲を選びます。