119D026|第119回 歯科医師国家試験 過去問
44 歳の女性。右側顎関節部の開口時痛を主訴として来院した。2 年前から関節 音を自覚していたが、6 か月前から音が消失し口が開きづらくなってきたという。 顎関節部に腫脹と発赤はなく、最大開口量は38 mm である。初診時のエックス線 画像(別冊No. 4A)、CT(別冊No. 4B)及び右側顎関節のMRI(別冊No. 4C)を別 に示す。 最も疑われるのはどれか。1 つ選べ。

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正解: d
正答
d
この問題のポイント
長期間の関節症状、関節音消失後の開口制限、開口時痛という経過から、画像所見と合わせて変形性顎関節症が最も疑われます。
解説
症例では2年前から関節音があり、6か月前から音が消えて開口しにくくなっています。顎関節内障が進行して関節円板の復位が得られなくなり、関節面に退行性変化を伴う経過が考えられます。
変形性顎関節症では、開口時痛、運動制限、クレピタスなどを認め、画像で下顎頭の平坦化、骨硬化、骨棘、皮質骨の不整などを評価します。急性炎症を示す発赤・著明な腫脹がない点も、化膿性関節炎とは合いません。
症例問題の解き方
関節音の経過、開口量、炎症所見、骨変化の有無を順に整理します。
画像の確認
実画像A・Bでは右下顎頭に扁平化・骨性変形と辺縁性骨増生がみられ、Cでは関節円板の位置異常と関節面の退行性変化が示される。感染性炎症や多発遊離体の像ではなく、臨床経過を含めて変形性顎関節症に合致する。
選択肢の確認
a.顎関節強直症
本症例では第一に考えません。
顎関節強直症では著明な開口障害と関節部の骨性・線維性癒着が問題となります。最大開口量38 mmという所見から第一に考えません。
b.滑膜性軟骨腫症
本症例では第一に考えません。
滑膜性軟骨腫症では関節内の多数の軟骨性遊離体や腫脹が手掛かりとなりますが、本症例の経過で最も疑う疾患ではありません。
c.痛風性顎関節炎
本症例では第一に考えません。
痛風性顎関節炎では結晶沈着による炎症発作を考えますが、慢性的な関節音の変化と退行性経過の第一候補ではありません。
d.変形性顎関節症
正答。最も考えられます。
慢性的な関節症状と運動障害、画像で評価される退行性骨変化を合わせると、変形性顎関節症が最も考えられます。
e.急性化膿性顎関節炎
本症例では第一に考えません。
急性化膿性顎関節炎では発熱、発赤、腫脹、強い安静時痛などを伴いやすく、本症例の慢性経過とは合いません。
覚えるポイント
- 変形性顎関節症は退行性骨変化を伴う顎関節疾患です。
- 関節音が消えて開口制限が出る経過は関節円板障害の進行を示唆します。
- 急性化膿性炎症では発熱・発赤・腫脹を重視します。