119D046第119回 歯科医師国家試験 過去問

基礎歯科医学生理・生化学・薬理

56 歳の女性。下顎左側大臼歯部の腫脹を主訴として来院した。下顎エナメル上 皮腫の診断で全身麻酔下に外科手術を施行することとした。全身麻酔を導入し気管 挿管後、聴診で喘鳴を認めた。このときの生体情報モニタ画面(別冊No. 10)を別に 示す。 投与すべき薬剤はどれか。1 つ選べ。

119D046の問題画像
解答・解説を見る

正解: a

正答

a

この問題のポイント

気管挿管後の喘鳴は気管支攣縮を示唆します。気管支平滑筋を弛緩させる短時間作用性β2刺激薬のサルブタモール硫酸塩を投与します。

解説

全身麻酔中に喘鳴、呼気延長、気道内圧上昇などを認めた場合は、気管支攣縮を考えます。まず酸素化・換気を確保し、気管チューブの屈曲、分泌物、片肺挿管、アナフィラキシーなどの原因を確認します。

サルブタモールはβ2アドレナリン受容体を刺激し、気管支平滑筋を弛緩させます。吸入投与が代表的で、麻酔回路を介して投与することもあります。重症例では麻酔深度の調整、アドレナリン、ステロイドなどを病態に応じて検討します。

全身管理上の注意点
喘鳴だけでなく、皮疹、低血圧、気道浮腫を伴う場合はアナフィラキシーを疑い、対応を切り替えます。

画像の確認

実画像のモニタは心拍数102/分、SpO2 93%、EtCO2 45 mmHgを示し、呼気二酸化炭素波形は呼気相の立ち上がりが傾斜した閉塞性の形である。挿管後の喘鳴と合わせて気管支攣縮を考え、短時間作用型β2刺激薬のサルブタモール硫酸塩を投与する。

選択肢の確認

a.サルブタモール硫酸塩
正答。投与すべき薬剤です。
サルブタモール硫酸塩は短時間作用性β2刺激薬で、気管支攣縮を解除するために投与します。

b.ネオスチグミン臭化物
この状況で投与すべき薬剤ではありません。
ネオスチグミン臭化物は非脱分極性筋弛緩薬の拮抗に用いますが、気管支攣縮の治療薬ではありません。

c.モルヒネ塩酸塩水和物
この状況で投与すべき薬剤ではありません。
モルヒネ塩酸塩水和物は鎮痛薬で、ヒスタミン遊離や呼吸抑制に注意が必要です。喘鳴時に投与する薬剤ではありません。

d.スガマデクスナトリウム
この状況で投与すべき薬剤ではありません。
スガマデクスナトリウムはロクロニウムなどの筋弛緩作用を拮抗しますが、気管支拡張薬ではありません。

e.チアミラールナトリウム
この状況で投与すべき薬剤ではありません。
チアミラールナトリウムは静脈麻酔薬であり、気管支攣縮を直接解除する薬剤ではありません。

覚えるポイント

  • 気管挿管後の喘鳴では気管支攣縮を考えます。
  • サルブタモールは短時間作用性β2刺激薬です。
  • チューブ異常、分泌物、アナフィラキシーも同時に鑑別します。

関連問題

119D045119D047
学習アプリでこの問題を解く(記録・メモ・カード化)