119D063|第119回 歯科医師国家試験 過去問
基礎歯科医学口腔解剖・組織・発生
上顎無歯顎患者の概形印象の写真(別冊No. 17)を別に示す。 矢印部の形態に影響する筋はどれか。2 つ選べ。

2つ選択
解答・解説を見る
正解: a・c
正答
a、c
この問題のポイント
上顎概形印象の後方頰側辺縁、特に翼突下顎切痕から頰側の形態は、開閉口時の筋突起・側頭筋の動きと頰筋の緊張の影響を受けます。正答は頰筋と側頭筋です。
解説
上顎全部床義歯の辺縁形態は、周囲の可動粘膜と筋の機能運動に調和させる必要があります。
頰側前方から臼歯部の床縁は頰筋の影響を受けます。また、開口時には下顎筋突起が前方へ移動し、そこへ停止する側頭筋と周囲組織の運動が上顎結節外側の義歯床縁へ影響します。床縁を過長・過厚にすると、開口時に押し下げられて義歯が脱離します。
補綴で見るポイント
概形印象では解剖学的範囲を把握し、精密印象の筋圧形成で機能的辺縁を決定します。
画像の確認
実画像の上顎概形印象で矢印は左側後方の頰側辺縁、上顎結節後方から翼突下顎ヒダ寄りの切れ込みを示している。この部位の辺縁形態は頰筋の緊張と、下顎運動時の筋突起・側頭筋の動きに影響される。
選択肢の確認
a.頰 筋
正しい。
頰筋は上顎頰側床縁の形態と機能時の辺縁位置に影響します。
b.咬 筋
誤り。
咬筋は主に下顎義歯の咬筋切痕部へ影響し、上顎の矢印部を形成する主要筋ではありません。
c.側頭筋
正しい。
側頭筋は筋突起へ停止し、開口時の筋突起周囲の運動を介して上顎後方頰側辺縁に影響します。
d.口蓋帆張筋
誤り。
口蓋帆張筋は軟口蓋や耳管機能に関与しますが、本問の頰側辺縁形態を規定する主要筋ではありません。
e.中咽頭収縮筋
誤り。
中咽頭収縮筋は咽頭壁を形成し嚥下に関与しますが、本問で示す上顎概形印象の矢印部を形成する筋ではありません。
覚えるポイント
- 上顎頰側床縁は頰筋の影響を受けます。
- 上顎結節外側は筋突起・側頭筋の機能運動に注意します。
- 過長な床縁は開口時の義歯脱離につながります。