Y2023M04E2Q28|第2023年4月公表(第二種) 第一種・第二種衛生管理者免許試験 過去問
免疫に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 5
正答
5
この問題のポイント
抗原、アレルギー、免疫不全、体液性免疫及び細胞性免疫を区別する問題です。
抗体を介して働くのが体液性免疫で、Tリンパ球などの細胞が中心となって働くのが細胞性免疫です。選択肢5は両者を逆にしています。
解説
抗原とは、免疫系によって異物として認識され、免疫反応を引き起こす物質です。蛋白質や糖質など、さまざまな物質が抗原となります。
本来は体を守る免疫反応が過剰に起こり、組織や細胞を傷害する状態がアレルギーです。気管支ぜんそくやアトピー性皮膚炎などが代表例です。
免疫機能が失われたり低下したりする状態を免疫不全といいます。病原体を排除する力や異常な細胞を監視する働きが低下するため、感染症や一部のがんに罹患しやすくなります。
体液性免疫では、Bリンパ球から分化した形質細胞が産生する抗体が中心となって働きます。細胞性免疫では、Tリンパ球などが感染細胞や異常な細胞への攻撃に関与します。
また、病原体などを取り込んで処理する貪食は、主に好中球やマクロファージなどが担います。したがって、体液性免疫と細胞性免疫を逆に説明した5は誤りです。
ひっかけポイント
「抗体」という語が出たら体液性免疫、「Tリンパ球が細胞を攻撃」とあれば細胞性免疫を考えます。
衛生管理者としての実務ポイント
感染症対策では、手洗い、換気、体調不良者への対応など、感染経路に応じた基本的な予防策を行います。免疫機能に関する個人情報は適切に管理し、必要な配慮は産業医等と連携して検討します。
選択肢の確認
1.抗原とは、免疫に関係する細胞によって異物として認識される物質のことである。
記述としては正しい。
抗原は、免疫系によって異物として認識され、免疫反応の対象となる物質です。
2.抗原となる物質には、蛋白質、糖質などがある。
記述としては正しい。
蛋白質や糖質などは抗原となり得ます。
3.抗原に対する免疫が、逆に、人体の組織や細胞に傷害を与えてしまうことをアレルギーといい、主なアレルギー性疾患としては、気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎などがある。
記述としては正しい。
免疫反応が過剰に起こって組織を傷害する状態がアレルギーで、気管支ぜんそくやアトピー性皮膚炎などがあります。
4.免疫の機能が失われたり低下したりすることを免疫不全といい、免疫不全になると、感染症にかかりやすくなったり、がんに罹患しやすくなったりする。
記述としては正しい。
免疫機能が低下すると、病原体や異常な細胞を排除する働きが弱まり、感染症や一部のがんの危険が高まります。
5.免疫には、リンパ球が産生する抗体によって病原体を攻撃する細胞性免疫と、リンパ球などが直接に病原体などを取り込んで排除する体液性免疫の二つがある。
正答。記述としては誤り。
抗体を介するのは体液性免疫で、Tリンパ球などが中心となるのが細胞性免疫です。また、病原体の貪食は主に好中球やマクロファージなどが担います。
この問題では「誤っているもの」を選ぶため、記述として誤っている5が正答です。
覚えるポイント
- 抗原は、免疫系に異物として認識される物質である。
- 過剰な免疫反応による組織傷害が、アレルギーである。
- 免疫不全では、感染症などにかかりやすくなる。
- 体液性免疫は、抗体を介して働く。
- 細胞性免疫は、Tリンパ球などの細胞が中心となって働く。