Y2024M10E1Q19第2024年10月公表(第一種) 第一種・第二種衛生管理者免許試験 過去問

第一種労働衛生(有害業務)労働衛生保護具

呼吸用保護具に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

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正解: 1

正答

1

この問題のポイント

この問題では、呼吸用保護具の選定、防じんマスクの対象粒子、面体の密着性、防毒マスクの吸収缶の色及び複数ガスへの対応が問われています。

呼吸用保護具は、作業環境から求めた要求防護係数を上回る指定防護係数を持つものを選びます。

解説

要求防護係数と指定防護係数

要求防護係数は、呼吸用保護具の外側の有害物質濃度を、保護具内で許容される濃度まで低減するために必要な防護性能を示します。

一般に、次の考え方で求めます。

要求防護係数=保護具外部の有害物質濃度÷目標とする濃度

選定する呼吸用保護具の指定防護係数は、この要求防護係数より大きい必要があります。

ヒュームと防じんマスク

ヒュームは、金属などが高温で蒸発した後、空気中で冷却・凝縮して生じる非常に細かい固体粒子です。

粒子状物質であるため、作業内容と粒子の性状に適合し、必要な捕集性能を持つ型式検定合格品の防じんマスクを使用できます。

「微細だから防じんマスクを使用できない」というわけではありません。

面体の密着性

防じんマスクや防毒マスクは、面体と顔面の間に隙間があると、有害物質がそこから漏れ込みます。

接顔部に接顔メリヤス、タオルなどを挟むと、原則として密着性が低下します。ひげ、もみあげ、前髪が接顔部へ入り込むことにも注意します。

装着時にはフィットチェックを行い、必要な場合はフィットテストにより適切な面体を選びます。

吸収缶の色

一酸化炭素用防毒マスクの吸収缶は赤色です。

主な色分けには、次のものがあります。

  • 有機ガス用は黒色
  • 一酸化炭素用は赤色
  • アンモニア用は緑色
  • 亜硫酸ガス用は黄赤色

複数の有害ガス

二種類以上の有害ガスが混在する場合は、それぞれのガスに対して適合する吸収缶を選ばなければなりません。

最も毒性の強い一種類だけに対応した吸収缶を使用しても、他のガスを除去できないおそれがあります。

ガスの種類や濃度が不明な場合、適合する吸収缶がない場合、高濃度の場合又は酸素欠乏のおそれがある場合は、送気マスクや空気呼吸器などを検討します。

保護具選定のポイント
保護具は最後の砦です。代替、密閉化、局所排気などを先に行い、その上で有害物質の種類、濃度、酸素濃度、作業時間、顔面への適合性を確認して選びます。

選択肢の確認

1.呼吸用保護具は、計算により求めた要求防護係数よりも大きな値の指定防護係数をもつものを選択する。
正しい。
作業環境で必要とされる防護性能を満たすため、要求防護係数を上回る指定防護係数を持つ呼吸用保護具を選定します。

2.型式検定合格標章のある防じんマスクでも、ヒュームのような微細な粒子に対しては使用してはならない。
誤り。
ヒュームは粒子状物質です。必要な捕集性能を持ち、作業に適合する型式検定合格品の防じんマスクを使用できます。

3.防じんマスクの面体の接顔部に接顔メリヤスを使用すると、マスクと顔面との密着性が良くなる。
誤り。
接顔メリヤスを挟むと、原則として面体と顔面の間に隙間が生じ、密着性が低下します。皮膚障害のおそれがあり、かつ密着性が良好な例外的場合を除き、使用させません。

4.一酸化炭素用防毒マスクの吸収缶の色は、黄色である。
誤り。
一酸化炭素用吸収缶の色は赤色です。黄色ではありません。

5.2種類以上の有害ガスが混在している場合には、そのうち最も毒性の強いガス用の防毒マスクを使用する。
誤り。
混在する全ての有害ガスに適合する吸収缶を選定する必要があります。種類や濃度が不明な場合などは、給気式呼吸用保護具を検討します。

覚えるポイント

  • 指定防護係数は、要求防護係数を上回るものを選ぶ。
  • ヒュームは粒子状物質であり、適切な防じんマスクの対象となる。
  • 接顔メリヤスやタオルは、原則として面体の密着性を低下させる。
  • 一酸化炭素用吸収缶は赤色である。
  • 複数ガスには、全てのガスに対応した吸収缶又は給気式保護具を選ぶ。
  • 酸素欠乏環境では、防じんマスクや防毒マスクを使用できない。

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