Y2024M10E1Q18|第2024年10月公表(第一種) 第一種・第二種衛生管理者免許試験 過去問
粉じんによる健康障害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
この問題では、じん肺の定義と進行性、けい肺の原因粉じん、石綿による胸膜病変、木材粉じんによるアレルギー性障害が問われています。
けい肺は、遊離けい酸を含む粉じんを吸入することによって発症します。
鉄やアルミニウムなどの金属粉じんによるじん肺を、けい肺とはいいません。
解説
じん肺
じん肺は、粉じんを吸入することによって肺に生じた、線維増殖性変化を主体とする疾病です。
代表例には、けい肺、石綿肺、炭素系粉じんによるじん肺などがあります。
肺に取り込まれた粉じんによって慢性的な炎症と線維化が進むため、呼吸機能が低下します。
進行性
じん肺は、ある程度まで進行すると、粉じん作業を離れて新たなばく露がなくなった後も、肺内に残った粉じんの影響によって線維化が進行することがあります。
したがって、早期の発見とばく露防止が重要です。
けい肺
けい肺は、石英などの遊離けい酸を含む粉じんを吸入することで起こります。
採石、採鉱、岩石の切断・研磨、鋳物砂を扱う作業などで問題となります。
けい肺では肺の線維化に加え、結核などを合併しやすくなる点も重要です。
石綿肺
石綿肺は、石綿繊維の吸入によるびまん性の肺線維症です。
石綿ばく露に関連する所見として、胸膜プラーク、びまん性胸膜肥厚、胸膜石灰化などがみられることがあります。また、肺がんや中皮腫との関連も重要です。
木材粉じん
木材粉じんは、鼻や気道を刺激するほか、樹種によっては感作性を持ち、職業性ぜんそくやアレルギー性鼻炎を起こすことがあります。
ひっかけポイント
けい肺の原因は、金属そのものではなく、遊離けい酸を含む粉じんです。
作業環境管理のポイント
粉じん対策では、材料や工法の変更、密閉化、湿式化、局所排気、清掃、適切な防じんマスクを組み合わせます。乾式のほうき掃きや圧縮空気による吹き飛ばしは、粉じんの再飛散につながります。
選択肢の確認
1.じん肺は、粉じんを吸入することによって肺に生じた線維増殖性変化を主体とする疾病で、けい肺、石綿肺などがある。
記述としては正しい。
じん肺は、吸入した粉じんによる肺の線維化を主体とする疾病であり、けい肺や石綿肺などが含まれます。
2.じん肺がある程度進行すると、粉じんへのばく露を中止しても肺の線維化が進行する。
記述としては正しい。
肺内に残った粉じんの作用によって、ばく露を中止した後も線維化が進行する場合があります。
3.けい肺は、鉄、アルミニウムなどの金属粉じんを吸入することによって発症するじん肺である。
正答。記述としては誤り。
けい肺は、遊離けい酸を含む粉じんの吸入によって発症します。鉄やアルミニウムなどの金属粉じんを原因とするじん肺を、けい肺とはいいません。
4.石綿肺では、胸膜の肥厚(プラーク)、胸膜の石灰化などがみられる。
記述としては正しい。
石綿ばく露では、胸膜プラークや胸膜石灰化などがみられることがあります。石綿肺そのものは肺実質の線維化ですが、これらの胸膜病変は石綿ばく露を示す重要な所見です。
5.木材の粉じんを吸入することによって、ぜんそくを起こすことがある。
記述としては正しい。
木材粉じんには感作性を持つものがあり、吸入によって職業性ぜんそくを起こすことがあります。
覚えるポイント
- じん肺は、粉じん吸入による肺の線維増殖性変化を主体とする。
- じん肺は、ばく露中止後も進行することがある。
- けい肺の原因は、遊離けい酸を含む粉じんである。
- 石綿ばく露では、胸膜プラークや胸膜石灰化がみられることがある。
- 木材粉じんは、職業性ぜんそくの原因となることがある。