113F41|第113回 医師国家試験 過去問

総合診療・救急・ケア総合診療

ベンゾジアゼピン系睡眠薬で起こりやすい有害事象はどれか。2つ選べ。

2つ選択
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正解: a・d

正答

a 転 倒、d 前向健忘

この問題のポイント

ベンゾジアゼピン系睡眠薬は鎮静・筋弛緩によって転倒を起こしやすく、服用後の出来事を記憶しにくくなる前向健忘も生じる。

解説

ベンゾジアゼピン系薬はGABA_A受容体の作用を増強し、中枢神経活動を抑制する。催眠・抗不安作用に加え、筋弛緩や注意・反応速度の低下を起こすため、夜間の排尿時などにふらつき、転倒・骨折につながり得る。高齢者では薬の代謝・排泄の変化や併用薬の影響が加わり、翌朝への持ち越しにも注意する。前向健忘は服用後の新しい出来事の記憶が形成・保持されにくくなる現象であり、服用前の記憶が失われる逆向健忘や、言語機能自体の障害である失語とは異なる。用量増加、飲酒併用、十分な睡眠時間を確保しない服用などは有害事象を増やす。長期連用で依存や耐性が問題になることもあり、中止時は反跳性不眠や離脱を避けるため計画的に減量する。急にすべて中止すれば安全というわけではない。

選択肢の確認

a 転 倒
正しい。鎮静、注意低下、筋弛緩によるふらつきが転倒を起こしやすくする。特に夜間移動や高齢者、多剤併用で注意する。

b 失 語
誤り。失語は言語の理解・表出の障害で、脳血管障害等の局在症状として重要である。睡眠薬の代表的有害事象としては前向健忘を選ぶ。

c 企図振戦
誤り。企図振戦は目標に近づくほど強まる振戦で、小脳系の障害を示唆する。ベンゾジアゼピン系睡眠薬の典型的な副作用ではない。

d 前向健忘
正しい。服用後の出来事を新たに記憶しにくくなる。服薬後に起きて活動しても、その行動を覚えていないことがある。

e アカシジア
誤り。アカシジアはじっとしていられない内的不穏で、抗精神病薬などによるドパミン遮断で典型的である。

覚えるポイント

ベンゾジアゼピン系の代表的問題は転倒・前向健忘・持ち越し・依存。前向健忘は「服用後の新しい記憶」が障害される。

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