117C71|第117回 医師国家試験 過去問
内科系循環器大動脈・末梢血管
この患者への対応で最も適切なのはどれか。
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正解: c
正解
c 人工血管置換術
解説
この症例は、Stanford A型急性大動脈解離に心タンポナーデを合併した状態を考える。
これは内科的経過観察ではなく、緊急手術の適応である。
したがって、最も適切な対応は人工血管置換術である。
なぜ手術が必要か
Stanford A型では上行大動脈が障害されており、
- 心嚢内破裂による心タンポナーデ
- 大動脈弁閉鎖不全
- 冠動脈虚血
- 脳血流障害
など、致死的合併症を起こしやすい。
このため、外科的修復が生命を救う根本治療となる。
各選択肢の検討
a 電気的除細動
誤りである。適応は致死的不整脈であり、本症例の主病態ではない。b β遮断薬の静注
誤りである。急性大動脈解離では血圧や心拍数を下げる目的で用いることはあるが、これは手術までの補助的内科治療である。すでにショックに近く、心タンポナーデを合併している本症例では手術が優先される。c 人工血管置換術
正しい。Stanford A型急性大動脈解離の標準的緊急治療である。d 経皮的冠動脈ステント留置術
誤りである。急性心筋梗塞に対する治療であり、本症例では適応ではない。e 大動脈ステントグラフト内挿術
誤りである。主に下行大動脈病変、すなわちStanford B型で考慮されることが多く、上行大動脈病変の第一選択ではない。
ひっかけポイント
急性大動脈解離では、まずStanford AかBかで方針が分かれる。
Stanford A
- 上行大動脈を含む
- 原則、緊急手術
Stanford B
- 上行大動脈を含まない
- 合併症がなければ内科治療が基本
- 症例によってステントグラフトを検討
この区別ができれば、e を選ばずにすむ。
覚えるポイント
Stanford A型急性大動脈解離 = 緊急人工血管置換術
これが国試の基本である。