28AM18|第28回 精神保健福祉士国家試験 過去問
事例を読んで、次のうち、社会福祉士としてひとり親世帯であるAさん親子の状況を把握するうえで、妥当な社会学の概念として、最も適切なものを1つ選びなさい。 〔事 例〕 非正規の仕事を2つ掛け持ちしながら小学生の子どもBさんを育てている母親Aさんから相談が入った。「怒鳴っても子どもが言うことを聞かなくて困っている。子どもをしつけるにはどうしたらよいか」という。詳しく話を聞いたところ、Bさんは流行りのゲーム機を買ってもらえないため駄々をこねているという。また「自分は親に怒鳴られて育ってきた。おかげでまともな人間になったと思っているし、怒鳴る以外に言うことを聞かない子どもをしつけるやり方もわからない」とのことである。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
相対的剥奪は、絶対的に何もない状態ではなく、自分が基準とする他者や集団との比較によって「自分には欠けている」と感じる状態です。親子を責めず、経済状況、周囲との比較、養育経験を環境との関係で捉えます。
解説
Bさんが流行のゲーム機を持つ周囲の子どもを参照し、自分は買ってもらえないことに不満を示す状況は相対的剥奪で捉えられます。Aさんの非正規就労や家計、親から怒鳴られた経験も支援上重要ですが、設問の選択肢の中でゲーム機をめぐる比較を最もよく説明するのは2です。社会福祉士は暴言を正当化せず、Aさんの困り感を受け止め、親子双方の意思と安全を確認し、利用できる支援を一緒に考えます。
選択肢の確認
1.予言の自己成就
誤り。ある予測に沿った行動が結果としてその予測を実現させる現象であり、周囲との比較による不足感とは異なります。
2.相対的剥奪
正答。参照する周囲の子どもとの比較により、ゲーム機がないことを不足として感じる状況を説明できます。
3.社会的孤立
誤り。社会関係や交流が乏しい状態ですが、事例には親子が他者とのつながりを失っているとの具体的情報はありません。
4.役割葛藤
誤り。複数の役割期待が両立せず葛藤する状態ですが、ゲーム機をめぐる不満の中心概念ではありません。
5.互酬性
誤り。与えることと返礼の相互関係を表す概念であり、比較による剥奪感の説明ではありません。
覚えるポイント
相対的剥奪は「誰と比べ、何を当然と考えるか」が鍵です。本人の困難を個人の性格に還元せず、所得、雇用、地域、世代間の経験を含む生活環境から理解します。