59AM017|第59回 作業療法士国家試験 過去問
36 歳の女性。5 か月の乳児の子育て中。1 か月前から周囲への興味と関心が低 下し、育児がおろそかになってきた。物事の判断が鈍くなり、育児に自信をなく し、ささいなことで不安になった。うつ病と診断され、乳児を実母に預けて入院し た。入院後早期に不安の軽減を目的に作業療法が開始された。 導入時の作業療法で優先すべき対応はどれか。
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正解: 5
正答
5.ゆとりが持てるような日中の過ごし方を話し合う。
この問題のポイント
うつ病の急性期(特に産後うつ)では、不安や意欲低下、焦燥感が主な症状です。この段階では患者の心理的負担を軽減し、安心感を提供することが最優先です。作業療法の目的は「不安の軽減」と「安心できる生活の構築」であり、過度な活動や課題設定は避けるべきです。
解説
入院早期の作業療法では、患者の精神的安定を優先します。本問の患者は育児に自信を失い、ささいなことで不安を感じており、これは典型的な産褥期うつ病の症状です。この段階では「頑張らせる」「目標を設定する」「アドバイスを出す」などの介入は、患者の自責感を増幅させるリスクがあります。代わりに、患者と「ゆとりある日中の過ごし方」について話し合うことで、自分のペースで生活を再構築できる環境を整え、安心感を提供できます。これは患者の自律性を尊重しつつ、心理的負荷を軽減するための最も適切なアプローチです。
選択肢の確認
1.運動で体力の増強を図る。:うつ病急性期は休息が優先。運動は過活動を促す可能性があるため不適切。
2.趣味をみつけるよう働きかける。:興味喪失(アンヘドニア)があるため、趣味探しは心理的負担となる。
3.子育てに関するアドバイスを行う。:育児への自信喪失があるため、アドバイスは自責感を強化するリスクがある。
4.集団レクリエーションで気分転換を図る。:急性期の不安は集団活動で悪化する可能性があるため、個別対応が原則。
5.ゆとりが持てるような日中の過ごし方を話し合う。:患者と協働して日課を一緒に考えるため、不安軽減に最も適した対応。
覚えるポイント
「うつ病急性期」は「休息・安心・ゆとり」が鍵。作業療法の最初のステップは、患者のペースで「どんな日中を過ごしたいか」を一緒に考える「話し合い」です。これにより、心理的負荷を最小限に抑え、回復の土台を築きます。