60AM036|第60回 作業療法士国家試験 過去問
慢性心不全患者の在宅生活指導で適切なのはどれか。
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正解: 4
正答
4.下腿浮腫の出現に注意をするように促す。
この問題のポイント
慢性心不全の在宅生活指導では、患者が自ら「心不全の悪化を早期に察知できる」ことが最も重要です。特に、体液貯留による下腿浮腫の出現は、右心不全が進行しているサインであり、その変化を観察・記録することで、早期に医療機関に連絡することが可能です。
解説
慢性心不全患者は、体液の蓄積(水腫)や体重増加、息切れの悪化といった「早期サイン」に敏感に反応できるよう指導されます。その中で、下腿浮腫の出現に注意することは、患者自身が日常的に観察できる、かつ心不全増悪の重要な兆候です。浮腫は、右心機能低下による体液の再分配の結果であり、変化が大きくなれば、増悪のリスクが高まります。このため、患者に「毎日体重や浮腫の有無をチェックし、変化があればすぐに医師に連絡する」という行動を促すことが、適切な在宅指導です。
一方、他の選択肢は臨床的リスクを含みます。
- 安静臥床は長期化すると筋力低下や廃用症候群を引き起こし、ADLの低下を促進します。
- しゃがみ込みは静脈還流を増加させ、心負荷を高めます。
- 息切れ時における背臥位は、呼吸困難を悪化させるため、半座位(ファウラー位)が適切です。
- 息をこらえて荷物を持ち上げることは、バルサルバ手技と呼ばれ、胸腔内圧の上昇により静脈還流が減少し、心拍出量が低下するため、心不全患者では禁忌です。
選択肢の確認
1.安静臥床を指示する。:誤り。活動の継続が推奨される。
2.しゃがんで床を拭くように勧める。:誤り。静脈還流増加による負荷増加。
3.息切れ時には背臥位をとるように促す。:誤り。半座位が適切。
4.下腿浮腫の出現に注意をするように促す。:正しい。早期サインの自覚を促す。
5.息をこらえて荷物を持ち上げるように指示する。:誤り。心負荷増加の原因。
覚えるポイント
「浮腫を観察する」=「心不全が悪化している可能性を自覚する」。
在宅指導の核心は「患者の自覚と行動」にあり、体重・浮腫・息切れの変化を毎日記録し、変化が大きければすぐに受診する「自己モニタリング」が最も効果的です。