60PM045|第60回 作業療法士国家試験 過去問
統合失調症の作業療法で観察される患者の特徴はどれか。
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正解: 2
正答
2.作業工程で同じ失敗を繰り返す。
この問題のポイント
統合失調症の作業療法において、患者が頻繁に「同じ失敗を繰り返す」様子は、認知機能の障害(特に注意・遂行機能の低下)と密接に関連しています。作業療法では、こうした行動パターンを観察することで、患者の認知的課題を把握し、適切な介入を設計します。
解説
統合失調症の患者は、認知機能の低下により、作業の段取りやプロセスの理解に困難を抱えやすいです。特に「注意の維持」や「過去の失敗からの学習」が困難なため、同じ工程で同じ誤りを繰り返すことが見られます。たとえば、物を並べる作業で「順番を間違えて同じ場所に置く」など、一貫して同じミスを繰り返す様子が観察されます。これは、陽性症状(幻覚・妄想)や陰性症状(意欲低下、感情鈍麻)とは異なり、作業の「プロセス理解」に起因するものとされています。作業療法では、こうした患者に対しては、シンプルで段階的に構成された課題を提供し、一度に一つの指示を提示することで、認知負荷を軽減します。
選択肢の確認
1.活動への関心が拡大する。
→ 陰性症状の影響で、意欲や関心が低下する傾向があるため、誤り。
2.作業工程で同じ失敗を繰り返す。
→ 認知機能の低下により、注意の維持が困難で、同じ失敗を繰り返すことが観察される。正解。
3.複数の課題を並行して実施する。
→ 注意配分が困難で、同時処理は困難であるため、誤り。
4.他患者の活動の仕方に口出しする。
→ 対人関係が希薄で、他者への関与が少ないため、誤り。
5.予定外の出来事を的確に対処する。
→ 変化への柔軟性が欠如しており、予定外対応が苦手であるため、誤り。
覚えるポイント
「同じ失敗を繰り返す」は、統合失調症患者の作業現場で頻発する行動パターンです。これは、認知機能の障害が現れる「典型的な兆候」であり、作業療法介入の起点となる重要な観察です。介入では、その失敗を「学習の機会」として扱い、段階的に課題を調整することで、患者の作業能力を支えます。