109Q218|第109回 薬剤師国家試験 過去問
76 歳女性。夫と息子との3 人暮らし。高血圧症、てんかん、統合失調症及 び不眠症の治療を行っている。処方1 ~3 は、以下の時系列記録の1 年前から継続 している。 (処方1 ) アジルサルタン錠40 mg 1 回1 錠(1 日1 錠) 1 日1 回 朝食後 28 日分 (処方2 ) バルプロ酸Na 徐放錠100 mg 1 回1 錠(1 日2 錠) リスペリドン口腔内崩壊錠1 mg 1 回1 錠(1 日2 錠) 1 日2 回 朝夕食後 28 日分 (処方3 ) ラメルテオン錠8 mg 1 回1 錠(1 日1 錠) レンボレキサント錠2.5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠) 1 日1 回 就寝前 28 日分 7 月4 日(かかりつけ医受診後来局): 処方1 ~3 継続、eGFR 56 mL/min/1.73 m 2 8 月1 日(かかりつけ医受診後来局): 処方1 ~3 継続、eGFR 32 mL/min/1.73 m 2 家族「腎臓の精密検査のために、かかりつけの先生が、大学病院の腎臓内科の外来 受診を予約してくれました。8 月8 日に本人を連れていきます。」 8 月4 日(家族から薬局へ電話相談、及び薬剤師から医師への確認): 家族「前回受診時にかかりつけの先生に伝え忘れましたが、よだれが出るように なったり、顔の表情が無くなったり、歩行が遅くなったりすることが7 月中旬ぐら いから目立ってきました。」 かかりつけ医師「随意運動は問題ありませんでした。薬の副作用ですね。」 8 月4 日に医師から指摘のあった副作用の原因薬物として、可能性が最も高いの はどれか。1つ選べ。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
流涎、仮面様顔貌、動作・歩行の緩慢は薬剤性パーキンソニズムの組合せです。D2受容体遮断薬を探します。
解説
リスペリドンはドパミンD2受容体を遮断する抗精神病薬で、錐体外路症状として薬剤性パーキンソニズムを起こし得ます。症状は無動・寡動、筋強剛、振戦、流涎、仮面様顔貌、小刻み歩行などです。高齢で腎機能が低下している本例では活性代謝物の曝露が増え、副作用が顕在化する可能性にも注意します。
選択肢の確認
1.アジルサルタン:アンジオテンシンII受容体拮抗薬で、典型的な薬剤性パーキンソニズムの原因ではありません。
2.バルプロ酸ナトリウム:振戦等は起こし得ますが、提示症状と作用機序から最も疑うのはリスペリドンです。
3.リスペリドン:正答です。線条体D2受容体遮断で錐体外路症状を来します。
4.ラメルテオン:メラトニン受容体作動薬で、D2遮断作用はありません。
5.レンボレキサント:オレキシン受容体拮抗薬で、主な副作用は傾眠等です。
覚えるポイント
抗精神病薬のD2遮断は黒質線条体系のドパミン機能を低下させ、パーキンソニズムを起こします。