109Q295第109回 薬剤師国家試験 過去問

67 歳女性。身長155 cm、体重43 kg。2 年前より心窩部痛を自覚し、外 来を受診。CT 検査などで膵臓がん、肝転移(Stage Ⅳ)と診断された。一次治療 として、フルオロウラシル+イリノテカン塩酸塩+オキサリプラチン+レボホリ ナート(FOLFIRINOX)療法を導入した。1 クール目Day 8 に発熱があり再来院 した。処方1 を服用中であり、全身倦怠感が強く入院加療となった。担当医から追 加処方(処方2 )の連絡を受けて、カンファレンスで今後の方針について協議する ことになった。 (再来院時の患者背景) パフォーマンスステータス(PS)1 、腋窩温38.5 ℃、血圧120/80 mmHg (処方1 ) 酸化マグネシウム錠250 mg 1 回1 錠(1 日3 錠) 1 日3 回 朝昼夕食後 14 日分 (処方2 ) レボフロキサシン錠500 mg 1 回1 錠(1 日1 錠) 1 日1 回 朝食後 7 日分 アセトアミノフェン錠200 mg 1 回2 錠 発熱時 10 回分(20 錠) (検査値) 項 目 Day 1 Day 8 白血球(/μL) 7,800 1,400 好中球(/μL) 5,800 300 赤血球(×10 4/μL) 400 380 ヘモグロビン(g/dL) 12.3 11.9 血小板(×10 4/μL) 22 20 AST/ALT(IU/L) 20/21 30/29 eGFR(mL/min/1.73 m 2) 89 70 この患者の病態に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

2つ選択
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正解: 2・3

正答

2・3

この問題のポイント

細胞障害性抗がん薬による骨髄抑制で高度好中球減少が生じ、感染・粘膜障害を起こしやすい状態です。

解説

FOLFIRINOX療法後の白血球1,400/μL、好中球300/μLは、骨髄での好中球産生低下を示す典型的な化学療法性骨髄抑制です。感染防御が低下して38.5℃の発熱を来しているため、炎症反応としてCRPが上昇している可能性が高く、局所症状が乏しくても敗血症へ進む危険があります。抗がん薬による粘膜障害と好中球減少により口内炎・咽頭痛も起こしやすく、口腔内を観察します。Hb 11.9 g/dLは軽度低下で高度貧血ではなく、血小板も大きく低下していません。時期と血球推移から薬剤アレルギーより、予測される骨髄抑制と考えます。

選択肢の確認

1.末梢における好中球の破壊が亢進している。:主因は骨髄での産生低下です。
2.CRP が上昇している可能性が高い。:正答。発熱感染に伴う上昇が考えられます。
3.口内炎や咽頭痛を発症しやすい。:正答。粘膜障害と感染リスクが高まります。
4.高度な貧血が認められる。:Hb 11.9 g/dLで高度貧血ではありません。
5.薬剤に対するアレルギーにより発症したと考えられる。:化学療法性骨髄抑制が考えられます。

覚えるポイント

好中球減少は症状が乏しくても重症感染になり得ます。発熱時は迅速な培養・抗菌薬対応が必要です。

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