110Q201|第110回 薬剤師国家試験 過去問
45 歳女性。慢性的に片頭痛を繰り返しており、現在、処方1 及び2 の薬剤 を服用している。 病院再診時、患者の片頭痛日誌を確認したところ、月4 回以上通勤できないほど の片頭痛発作があった。医師は処方2 の薬剤を変更するため、病院薬剤師に薬剤の 選択について意見を求めた。 (処方1 ) スマトリプタンコハク酸塩錠50 mg 1 回1 錠 頭痛時 10 回分(10 錠) (処方2 ) バルプロ酸ナトリウム徐放錠200 mg 1 回1 錠(1 日2 錠) 1 日2 回 朝夕食後 28 日分 スマトリプタンはセロトニン(5︲HT)受容体のアゴニストとして薬効を発揮す るが、受容体のサブタイプによって結合の強さが異なる。 3H 標識した5︲HT を用 いた結合実験により、スマトリプタンはヒト5︲HT 受容体のうち5︲HT1D 受容体と 最も強く結合することがわかっている。スマトリプタンが結合していない5︲HT1D 受容体をR、スマトリプタンの遊離形をS、スマトリプタンと5︲HT1D 受容体の結 合形をRS とし、R とS は次のように1:1 で反応するものとする。 R + S RS スマトリプタンの総濃度([S]+[RS])と5︲HT1D 受容体の総濃度([R]+[RS]) がともに100 nmol/L であるとき、5︲HT1D 受容体のうちスマトリプタンが結合し た割合が0.80 とすると、この反応の解離定数Kd に最も近いのはどれか。1つ選 べ。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
1対1結合の解離定数はKd=[R][S]/[RS]です。総濃度と結合割合から各平衡濃度を求めます。
解説
受容体総濃度は[R]+[RS]=100 nmol/Lで、その80%にスマトリプタンが結合しているので[RS]=80 nmol/L、遊離受容体[R]=20 nmol/Lです。スマトリプタン総濃度も[S]+[RS]=100 nmol/Lだから、遊離形[S]=100-80=20 nmol/Lです。よってKd=[R][S]/[RS]=20×20/80=5.0 nmol/Lとなります。リガンドが受容体に比べ十分過剰という近似は使わず、今回は両者の総濃度から結合分をそれぞれ差し引く点が重要です。
選択肢の確認
1.0.20 nmol/L:結合割合だけを逆数化した値では求まりません。
2.0.80 nmol/L:0.80は結合割合でありKdではありません。
3.5.0 nmol/L:正答。20×20/80=5.0です。
4.80 nmol/L:これは結合形受容体濃度です。
5.100 nmol/L:これは各総濃度です。
覚えるポイント
結合80、遊離受容体20、遊離薬20。Kd=20×20/80=5 nmol/Lです。