110Q208第110回 薬剤師国家試験 過去問

84 歳男性。息子と二人暮らし。長年、近隣のクリニックで高血圧症と頻 脈、アレルギー性鼻炎のため、処方1 による薬物治療を受けていた。 (処方1 ) ビソプロロールフマル酸塩錠5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠) エバスチン錠10 mg 1 回1 錠(1 日1 錠) 1 日1 回 朝食後 28 日分 1 年前の受診で、もの忘れが多く、その日の曜日が分からなくなることがたまに あり、付き添いの息子が処方医に相談したところ、神経内科の専門医を紹介され、 そこで認知症と診断された。リバスチグミンテープ4.5 mg で治療を開始し、漸増 の後、現在は処方1 とともに処方2 の薬剤の使用を継続している。 (処方2 ) リバスチグミンテープ18 mg 1 回1 枚(1 日1 枚) 1 日1 回 朝 28 日分 胸部、上腕部、背部のいずれかに貼付 (全28 枚) 今回来局した息子から、「医師には言い忘れたが、最近、服薬時や飲食・飲水時 に、むせの頻度が以前より高くなったので、誤嚥性肺炎になることを心配してい る」との相談があった。 息子の相談に対するアドバイスとして、以下のうち適切なのはどれか。2つ選べ。

2つ選択
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正解: 2・3

正答

2・3

この問題のポイント

嚥下機能が低下した高齢者では、口腔ケアを保ちつつ、飲水や服薬物の物性を調整し、自己判断で治療を中断しません。

解説

誤嚥性肺炎の予防には歯磨きなどの口腔ケアが重要で、口腔内細菌を減らします。液体でむせる患者には、嚥下評価を踏まえてゼリー状の経口補水液や適切なとろみを利用できます。処方1の錠剤は簡易懸濁法として約55℃の温湯で崩壊・懸濁し、とろみを調整して投与する方法が候補になりますが、製剤ごとの適否を確認します。むせがあってもビソプロロールなどを家族判断で中止すると病状悪化を招くため、速やかに医師へ情報提供します。経皮吸収型リバスチグミンを内服薬へ替えることは嚥下負担を増やし得ます。

選択肢の確認

1.誤嚥性肺炎の原因になるため、歯磨きは控えてください。:口腔ケアは肺炎予防に重要です。
2.脱水時の水分補給には、経口補水液のゼリータイプをお勧めします。:正答。液体よりまとまりやすい形態です。
3.処方1 の薬剤を55 ℃程度のお湯に崩壊・懸濁させ、とろみをつけて服用させ てください。:正答。簡易懸濁と物性調整を利用します。
4.むせたときは、息子さんの判断で、以降は処方1 の薬剤の服用を中止してくだ さい。:自己中止せず医療者へ相談します。
5.処方2 の薬剤を内服薬のドネペジル塩酸塩錠に変更するように医師に提案でき ます。:経皮剤から内服への変更は嚥下対策になりません。

覚えるポイント

口腔ケア、ゼリー・とろみ、簡易懸濁を組み合わせ、処方薬は自己中断しません。

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