110Q210第110回 薬剤師国家試験 過去問

86 歳女性。高血圧症と2 型糖尿病。フレイルによる通院困難のため、多職 種の訪問による自宅でのケアと処方1 による薬物治療を受けていた。訪問医から病 院の循環器科での検査入院を勧められ、心房細動の診断を受け、ワルファリンカリ ウムによる治療が開始された。退院後、娘が以下の処方箋を持って薬局を訪れた。 (処方1 ) オルメサルタン口腔内崩壊錠20 mg 1 回1 錠(1 日1 錠) シタグリプチンリン酸塩水和物錠50 mg 1 回1 錠(1 日1 錠) 1 日1 回 朝食後 7 日分 (処方2 ) ワルファリンカリウム錠1 mg 1 回1.5 錠(1 日1.5 錠) 1 日1 回 夕食後 7 日分 患者は独居だが、近所に住む娘が食事や服薬の管理をしており、今後の在宅療養 に合わせて再度アドバイスして欲しいと依頼があった。 処方2 に含まれる薬物は、下図のように、還元酵素Aを阻害することで、血液凝 固系が機能するために必須な補酵素イが化合物アから生成されるのを抑制する。 化合物ア 阻害 OH 処方2 に含まれる薬物 還元酵素A CH3 CH3 OH CH3 CH3 CH3 CH3 補酵素イ 化合物アの構造として適切なのはどれか。1つ選べ。 OH CH3 1 CH3 OH CH3 CH3 CH3 CH3 CH3 2 CH3 CH3 CH3 CH3 CH3 OH CH3 3 CH3 CH3 CH3 CH3 CH3 O CH3 4 CH3 O CH3 CH3 CH3 CH3 O CH3 5 CH3 O CH3 CH3 CH3 CH3

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正解: 4

正答

4

この問題のポイント

ワルファリンはビタミンK還元サイクルを阻害します。補酵素となるのは還元型ビタミンKで、その前駆体のキノン構造を見分けます。

解説

還元型ビタミンK(ヒドロキノン型)は、凝固因子II、VII、IX、Xなどのグルタミン酸残基をγ-カルボキシ化する際の補酵素です。反応で酸化されたビタミンKはサイクル内で再還元されます。図の化合物アはビタミンKの1,4-ナフトキノン型で、選択肢4のように環上に2個のカルボニル基とメチル基、側鎖をもちます。ワルファリンはビタミンKエポキシド還元酵素複合体を阻害し、還元型補酵素の再生を減らします。選択肢1はヒドロキノン型、2・3はカルボニルが不足し、5はキノン環の結合状態が異なります。

選択肢の確認

1.選択肢1(画像参照):2個のOHをもつ還元型で、化合物アではありません。
2.選択肢2(画像参照):キノンの2個のカルボニル基をもちません。
3.選択肢3(画像参照):1個のOHだけでビタミンKキノン構造ではありません。
4.選択肢4(画像参照):正答。1,4-ナフトキノン骨格をもつビタミンKです。
5.選択肢5(画像参照):キノン環の飽和度・結合配置が異なります。

覚えるポイント

ワルファリン=ビタミンKサイクル阻害、還元型K=γ-カルボキシ化の補酵素です。

110Q209110Q211
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