110Q259|第110回 薬剤師国家試験 過去問
65 歳男性。最近、尿意を我慢できなくなってきたため、近くの泌尿器科を 受診したところ、過活動膀胱と診断され、行動療法とともに以下の処方で治療を開 始することとなった。当薬局への来局は今回が初めてであったことから、お薬手帳 の確認と聞き取りを行った。 (処方) ソリフェナシンコハク酸塩錠5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠) 1 日1 回 朝食後 14 日分 (お薬手帳の内容) ラタノプロスト点眼液 1 日1 回1 滴 ドルゾラミド塩酸塩点眼液 1 日1 回1 滴 患者からの聞き取りにて、眼科通院中で、お薬手帳に記載の点眼液を使用中であ ることを泌尿器科の処方医に伝えていなかったことが分かった。 前問で最も可能性が高い疾患を患者が治療中であることを眼科医に確認できたの で、泌尿器科の医師に処方変更を提案することにした。提案する薬物の作用機序と して適切なのはどれか。1つ選べ。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
緑内障治療中の患者では、過活動膀胱に用いる抗コリン薬の眼への影響を考えます。抗コリン作用を避ける変更案として、膀胱の蓄尿機能を高めるβ3受容体刺激薬を選びます。
解説
ソリフェナシンはM3受容体を遮断して排尿筋の収縮を抑えますが、抗コリン作用は閉塞隅角緑内障を悪化させるおそれがあります。眼科治療の内容が判明した本例では、安全性を考えて異なる機序の薬への変更を提案します。β3受容体を刺激すると蓄尿期の排尿筋が弛緩し、膀胱容量が増えて尿意切迫感などを改善できます。したがって、過活動膀胱への代替機序として適切なのは選択肢2です。
選択肢の確認
1.アドレナリンa1 受容体刺激:尿路平滑筋の収縮に働く方向であり、過活動膀胱の蓄尿症状改善を目的とする機序ではありません。
2.アドレナリンb3 受容体刺激:正答。蓄尿期の排尿筋を弛緩させ、抗コリン作用によらず症状を改善します。
3.アセチルコリンM3 受容体遮断:ソリフェナシンと同じ抗コリン機序であり、今回の変更目的に合いません。
4.アンドロゲン受容体遮断:前立腺癌などに用いる機序で、過活動膀胱治療の代替にはなりません。
5.ミネラルコルチコイド受容体(アルドステロン受容体)遮断:心不全や高血圧などで用いる機序で、排尿筋の蓄尿機能を直接改善しません。
覚えるポイント
過活動膀胱では、M3受容体遮断薬とβ3受容体刺激薬を区別します。緑内障など抗コリン作用が問題となる背景では、病型を確認したうえで薬剤選択を見直します。