110Q258|第110回 薬剤師国家試験 過去問
65 歳男性。最近、尿意を我慢できなくなってきたため、近くの泌尿器科を 受診したところ、過活動膀胱と診断され、行動療法とともに以下の処方で治療を開 始することとなった。当薬局への来局は今回が初めてであったことから、お薬手帳 の確認と聞き取りを行った。 (処方) ソリフェナシンコハク酸塩錠5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠) 1 日1 回 朝食後 14 日分 (お薬手帳の内容) ラタノプロスト点眼液 1 日1 回1 滴 ドルゾラミド塩酸塩点眼液 1 日1 回1 滴 患者からの聞き取りにて、眼科通院中で、お薬手帳に記載の点眼液を使用中であ ることを泌尿器科の処方医に伝えていなかったことが分かった。 眼科において治療中と考えられる疾患として、最も可能性が高いのはどれか。 1つ選べ。
解答・解説を見る
正解: 3
正答
3
この問題のポイント
点眼薬の作用から治療疾患を推定します。ラタノプロストとドルゾラミドはいずれも眼圧を下げる薬であり、併用されていることが決め手です。
解説
ラタノプロストはプロスタグランジン関連薬で、主にぶどう膜強膜流出路からの房水流出を促進します。ドルゾラミドは炭酸脱水酵素を阻害し、毛様体での房水産生を減少させます。作用点は異なりますが、両薬とも緑内障・高眼圧症の眼圧管理に用いられるため、治療中の疾患として最も可能性が高いのは緑内障です。新規来局時に点眼薬まで確認することは、抗コリン薬による眼圧への影響を評価するうえでも重要です。
選択肢の確認
1.加齢黄斑変性:黄斑部の病変であり、この2剤による眼圧下降治療の対象ではありません。
2.白内障:水晶体の混濁であり、これらの点眼薬で治療する疾患ではありません。
3.緑内障:正答。房水の産生抑制と流出促進を組み合わせた処方と合致します。
4.ぶどう膜炎:眼内炎症であり、主に抗炎症薬などが治療に用いられます。
5.流行性角結膜炎:アデノウイルスによる感染症であり、眼圧下降薬の適応ではありません。
覚えるポイント
ラタノプロストは房水流出を促進し、ドルゾラミドは房水産生を抑制します。異なる機序で眼圧を下げる2剤から緑内障を推定します。