111Q307|第111回 薬剤師国家試験 過去問
50 歳男性。かかりつけの内科クリニックでコレステロール値が高いと指摘 され、食事療法と運動療法を行っていたが、コントロール不良のため薬物療法を開 始することとなり、本日、処方1 の薬剤が記載された処方箋を持って薬局を訪れ た。 (処方1 ) シンバスタチン錠5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠) 1 日1 回 夕食後 28 日分 処方1 の薬剤は本日より初めて服用する薬である。この男性が持参したお薬手帳 には7 日前に近所の耳鼻科で処方された以下の薬剤が記載されていた。男性による と「ずっと鼻がつまっていたので受診したら、慢性副鼻腔炎と言われ、薬をもらっ た。」とのことだった。 (お薬手帳の内容) クラリスロマイシン錠 200 mg 1 回1 錠(1 日1 錠) 1 日1 回 朝食後 28 日分 カルボシステイン錠 500 mg 1 回1 錠(1 日3 錠) 1 日3 回 朝昼夕食後 28 日分 薬剤師は、処方1 の薬剤とお薬手帳の薬剤との相互作用について医師に疑義照会 を行った。その結果、シンバスタチン錠5 mg からフルバスタチン錠 10 mg へ変更 する旨の回答を得たので、処方1 から処方2 に変更することとなった。 (処方2 ) フルバスタチン錠 10 mg 1 回1 錠(1 日1 錠) 1 日1 回 夕食後 28 日分 また、患者より「毎日グレープフルーツジュースを飲んだり、時々市販の酸化マ グネシウムという便秘薬を夕食後に飲むのですが、飲み合わせは大丈夫ですか。」 との質問を受けた。 服薬指導でこの患者に伝えることとして適切なのはどれか。2つ選べ。
解答・解説を見る
正解: 2・4
正答
2・4
この問題のポイント
クラリスロマイシンはCYP3A4を阻害してシンバスタチン濃度を上げるため、代謝経路の異なるフルバスタチンへ変更します。
解説
シンバスタチンは主にCYP3A4で代謝されます。クラリスロマイシンがCYP3A4を強く阻害すると血中濃度が上昇し、筋障害・横紋筋融解症などが起こりやすくなるため、主にCYP2C9で代謝されるフルバスタチンへ変更したと説明します。カルボシステインがシンバスタチンの作用を弱めるためではありません。フルバスタチンはHMG-CoA還元酵素を阻害して肝コレステロール合成を抑え、LDL受容体を増やす薬で、単に排泄を促す薬ではありません。グレープフルーツによるCYP3A4阻害の注意は通常問題にならず、酸化マグネシウムとの服用間隔を必須とする相互作用もありません。
選択肢の確認
1.カルボシステイン錠を服用している人が処方1 のお薬を服用すると、処方1 の お薬の作用が弱くなるため、処方2 のお薬に変更になりました。:理由はクラリスロマイシンです。
2.クラリスロマイシン錠を服用している人が処方1 のお薬を服用すると、処方1 のお薬の副作用が出やすくなるため、処方2 のお薬に変更になりました。:正答。濃度上昇を避けます。
3.処方2 のお薬は、コレステロールの排泄を促進する作用があります。:合成を阻害します。
4.処方2 のお薬は、グレープフルーツジュースとの飲み合わせについて注意喚起 されていません。:正答。CYP3A4依存性が低い薬です。
5.処方2 のお薬と酸化マグネシウムを同時に服用すると、処方2 のお薬の吸収が 低下するため、時間をずらして服用してください。:必須の間隔指導ではありません。
覚えるポイント
クラリスロマイシン+CYP3A4型スタチンでは筋毒性に注意し、代謝経路の異なる薬へ変更します。