111Q236|第111回 薬剤師国家試験 過去問
45 歳男性。糖尿病で治療中である。21~30 歳までの間、化学工場で化学 物質を取り扱う業務に従事していた。血尿を自覚し泌尿器科を受診し、膀胱鏡検 査、造影 CT 及び MRI 検査により、膀胱がんと診断された。経尿道的膀胱腫瘍切 除術を施行し、筋層浸潤がんであることが確認されたため、GC 療法(ゲムシタビ ン・シスプラチン併用療法)による術前化学療法を4 コース行った後、ロボット支 援根治的膀胱全摘除術を受けることになった。 この患者の化学療法に伴う悪心・嘔吐の予防に用いる薬剤として適切なのはどれ か。2つ選べ。
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正解: 3・5
正答
3・5
この問題のポイント
シスプラチンを含む高度催吐性化学療法の予防薬を選び、糖尿病患者ではオランザピンを除外する点まで考えます。
解説
GC療法のシスプラチンは高度催吐性リスクに分類され、急性期と遅発期の悪心・嘔吐を見越した多剤併用予防が必要です。アプレピタントはサブスタンスPが作用するNK1受容体を遮断し、特に遅発性嘔吐の抑制に有用です。パロノセトロンは作用の長い5-HT3受容体拮抗薬で、急性期を中心に予防レジメンを構成します。オランザピンも高度催吐性治療の制吐に用いられることがありますが、国内では糖尿病患者または糖尿病既往者に禁忌であり、本患者には選べません。クロルプロマジンやメトクロプラミドは悪心・嘔吐に作用し得るものの、この症例での標準的な一次予防薬として選ぶ組合せではありません。
選択肢の確認
1.クロルプロマジン塩酸塩錠:誤り。高度催吐性のシスプラチン療法で選ぶ標準的な予防薬ではありません。
2.メトクロプラミド錠:誤り。突出性悪心などで用いることはありますが、本問の予防薬の組合せではありません。
3.アプレピタントカプセル:正答。NK1受容体を遮断し、シスプラチンによる嘔吐を予防します。
4.オランザピン錠:誤り。本患者は糖尿病治療中であり禁忌に該当します。
5.パロノセトロン塩酸塩注射液:正答。長時間作用型5-HT3受容体拮抗薬です。
覚えるポイント
高度催吐性化学療法では5-HT3遮断薬とNK1遮断薬などを組み合わせます。オランザピンは制吐作用があっても糖尿病では選べません。