110Q273|第110回 薬剤師国家試験 過去問
25 歳女性。身長160 cm、体重55 kg。朝、自室から起床してこないため、 心配に思った家族が部屋の中に入ったところ、ベッドの上で仰向けになって意識を 失っていた。呼びかけに反応しなかったため、救急隊を要請した。病院搬送時の意 識レベルはJapan Coma Scale(JCS)200、血圧100/55 mmHg、脈拍105 拍/分、 呼吸15 回/分、体温36.0 ℃であった。採取した尿を用いて定性試験でバルビツー ル酸類が強陽性であった。家族からの情報によると、女性は以前よりてんかん治療 のためフェノバルビタールを常用しており、たびたび体調を崩していた。胃内容物 を分析したところ、フェノバルビタールが検出され、過量摂取による意識障害と診 断された。 3 日後には、この患者の意識は完全に回復した。しかし、病棟薬剤師が患者の異 変に気付き、医師とともに症状を確認したところ、一過性の退薬症状が出現したと 考えられた。観察された症状として適切なのはどれか。2つ選べ。
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正解: 1・3
正答
1・3
この問題のポイント
フェノバルビタールを長期使用していた患者では、過量服用後に除去が進むと血中濃度が急に低下し、一過性の退薬症状が現れることがあります。
解説
バルビツール酸系薬を連用すると身体依存が形成されることがあり、急な中止や濃度低下で中枢神経の反跳性興奮が生じます。軽い退薬症状には不安、落ち着かなさ、不眠、手指振戦などがあり、重くなるとけいれんなどにも注意が必要です。本例では反復吸着炭と尿アルカリ化により除去が促進された後なので、鎮静の持続を示す傾眠ではなく、興奮方向の症状を選びます。
選択肢の確認
1.不安:正答。中枢抑制薬の離脱でみられる反跳性の精神症状です。
2.傾眠:フェノバルビタールの薬理作用や中毒時の症状であり、典型的な退薬症状ではありません。
3.手指振戦:正答。自律神経・中枢神経の興奮を反映する退薬症状です。
4.発疹:過敏反応ではみられますが、急な濃度低下による退薬症状ではありません。
5.過度の心拍数低下:離脱ではむしろ自律神経興奮を来し得るため、徐脈は合いません。
覚えるポイント
鎮静薬の離脱は、元の抑制作用と反対の不安・不眠・振戦・けいれんという興奮症状で整理します。